...葉子は気を落ち着けるために案内を求めずに入り口に立ったまま...
有島武郎 「或る女」
...ご連中があれがいいこれがいいと迷っているうちには行き着ける...
犬田卯 「錦紗」
...カリン岬に着けるよ」「博士...
海野十三 「火星兵団」
...五月までには浅草の花川戸(はなかわど)の河岸(かし)まで着けるという...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...四時間で行き着けるある小都会に闇屋の婆さんに連れられてまいりました時のことですが...
太宰治 「貨幣」
...鼻の先へ擦(こす)り着けるやうにしてやつても...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...僕はその最前列にいるんだ!ロパーヒン 行き着けるかね?トロフィーモフ 行き着けるとも...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...今後女子にして遮光器(しやくわうき)を着けるが如き形の土偶發見(はつけん)さるる事有るやも知らざれど...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...足を底に着けることもできなければ...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...再び道具を着ける...
中里介山 「大菩薩峠」
...胸を洋卓(テエブル)の角(かど)へ着けるほど母に近づいた...
夏目漱石 「虞美人草」
...「まア歸つてよく氣を落着けるがいゝ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...人間の身に妙な金箔を着けるような事をして...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...その上へいつも研究所で着ている白いブルースを着けるだけで...
宮本百合子 「キュリー夫人」
...勿論(もちろん)病人の気を落ち着けるようにと心掛けているのである...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...傍に脱ぎ棄ててある紅矢の帽子から靴まですっかり盗んで身に着けるが早いか...
夢野久作 「白髪小僧」
...果たしてこれから無事に三河まで帰り着けるか否かすら...
吉川英治 「新書太閤記」
...次にはさだめし、兵法修行のため諸国を遊歴しておる者で――と武蔵がいうに違いないと、見ているような体(てい)だったが、武蔵が、「御当家の一弟子、北条新蔵と申さるる人(じん)が、仔細あって、ご存じの刀研(と)ぎ耕介の家に救われて、療養中にござりますゆえ、右まで、耕介の依頼に依って、お報(し)らせにうかがいました」と述べると、「えっ、北条新蔵が、返り討ちになりましたか」と、青年は驚愕して、気を落着けると、「失礼いたしました、わたくしは勘兵衛景憲(かげのり)の一子、小幡余五郎にございます...
吉川英治 「宮本武蔵」
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