...気病(きやみ)の後の様な弛(たる)んだ顔に眩(まぶし)い午後の日を受けて...
石川啄木 「赤痢」
...遠近(おちこち)の森の梢(こずえ)に並ぶ夥多(あまた)寺院の甍(いらか)は眩(まばゆ)く輝きぬ...
泉鏡花 「活人形」
...ふと気がついて見れば陽はもう海の彼方に沈もうとして残光は金色の波を眩(まぶ)しく海上に漂わせていた...
橘外男 「逗子物語」
...ただ眩(まばゆ)いほどの幸福ばかりを覚えた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...一寸眩しそうに笑うのだ...
豊島与志雄 「女客一週間」
...時々キラリと眩しく陽を照返すだけで...
中島敦 「環礁」
...ぎらぎらと青く油ぎって堪えがたく眩しかった...
中島敦 「プウルの傍で」
...眩(まぶ)し相に眼をしばたゝき乍ら呆然と傍に突つ立つてゐる裕佐の方を顧みた...
長與善郎 「青銅の基督」
...眩(まば)ゆき光り矢の如く向い側なる室(しつ)の中よりギニヴィアの頭(かしら)に戴(いただ)ける冠を照らす...
夏目漱石 「薤露行」
...四名ぐらい眩(めまい)する者ができたり...
新渡戸稲造 「自警録」
...万葉に眩惑せられたからであつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...女は殆(ほとん)ど倒れるような一種の眩惑しそうな眼付で...
室生犀星 「三階の家」
...繁次は眩(まぶ)しいような眼つきをし...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...しかしその人自身は決して眩(まぶ)しげになしていなかった...
吉川英治 「私本太平記」
...眩(まば)ゆいばかりな衣裳や腰の物を着けていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして心からおくつろぎくださいまして」「眼が眩(くら)みそうなご馳走だな...
吉川英治 「新・水滸伝」
...それには虎もいささか眼が眩(くら)み出して来たように見える...
吉川英治 「新・水滸伝」
...春の日を眩(まぶ)しげに石の蔭へかくれこんだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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