...斜に眥(まなじり)の方へ寄ったそうです...
芥川龍之介 「妖婆」
...そこへ瞋(いかり)の眥(まなじり)を釣(つ)り上(あ)げた...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...眥(まなじり)を決して前途を望めば雲行はなはだ急なるを見るなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...眥(まなじり)を決した子路の形相(ぎょうそう)が余りにすさまじかったのであろう...
中島敦 「弟子」
...後(あと)で卯平(うへい)の眥(めじり)からは涙(なみだ)が少(すこ)し洩(も)れて...
長塚節 「土」
...眥(まなじり)が張りさけんばかりにクヮッと眼をむき...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...大きな眼の中から押し出すように涙があふれ出て来て眥(めじり)から顳(こめかみ)のほうへゆっくりと下ってゆく...
久生十蘭 「キャラコさん」
...先程より疳癪(かんしゃく)の眥(まなじり)を釣(つ)り上げて手ぐすね引て待ッていた母親のお政は...
二葉亭四迷 「浮雲」
...」ふと見ると彼の真ん丸に視張(みは)って僕の顔を眼(ま)ばたきもしないで見詰めている眼眥(めじり)から...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...お前は殊に然(さ)うだ!」近子は眥(きれ)の長い眼を嶮(けは)しくして...
三島霜川 「青い顏」
...内眥(めがしら)に深く刻んだような皺が出来る...
森鴎外 「花子」
...内眥に深く刻んだやうな皺が出来る...
森鴎外 「花子」
...切れ上った眥(めじり)と高い鼻筋が時代めいて...
夢野久作 「骸骨の黒穂」
...恬然(てんぜん)として徳川十五代将軍と肩を並べている大官連の厚顔無恥振りに眥(まなじり)を決していた...
夢野久作 「近世快人伝」
...眥(まなじり)白く出で...
夢野久作 「白くれない」
...ゴンクール氏の眥(まなじり)はきりきりと釣り上った...
夢野久作 「暗黒公使」
...長い睫毛の間を左右の眥(めじり)へ……ほのかに白いコメカミへ……そうして青々とした両鬢(りょうびん)の...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...眥(めじり)が釣り上がるほど引き詰めて...
夢野久作 「復讐」
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