...「……越後国頸城(けいせい)郡林泉寺村真日山林泉寺に馬頭観音と祭られたる法性月毛の十寸六寸(ときろくすん)にあまる名馬に打ち跨り……」カチカチカチカチン...
正岡容 「小説 圓朝」
...真日中の日蔭とぼしき道ばたに流れ澄みたる井手のせせらぎ道ばたに埃かむりてほの白く咲く野いばらの香こそ匂へれ桑の実のしたたるつゆに染まりたる指さきを拭くその広き葉に埃たつ野なかの道をゆきゆきて聞くはさびしき頬白の鳥腰から下をほの白く土埃に染めながら...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...ひそやかにもの云ひかくる啼声のくろつがの鳥を聞きて飽かなく草の穂にとまりて鳴くよ富士が嶺の裾野の原の夏の雲雀は夏草の野に咲く花はたゞひといろ紅空木の木のくれなゐの花寄り来りうすれて消ゆる真日中の雲たえまなし富士の山辺に追憶と眼前の風景私は日向の国尾鈴山の北側に当る峡谷に生れた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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