...真新しい明石縮(あかしちぢみ)の粋な単衣(ひとえ)を着た下町風の女房だった...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...椅子の円々とふくらんだ真新しい天鵞絨(びろうど)の輝きに目をとめると...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...まるで符合したやうにその時きらきら光る真新しい自転車に乗つた男が現れたところだつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...彼はいかにも新参者らしく真新しい手拭を首にかけて...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...彼真新しい欅の根株の火鉢を頻に撫でて色々に評価する手合(てあい)もある...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...真新しい木綿(もめん)物にも...
野村胡堂 「江戸の火術」
...「爺(とっ)さん、お前の手柄にさせる積りで、今まで知らん顔をしていたが、こうなっちゃ仕方があるまい」平次は釣瓶(つるべ)井戸を覗くと、真新しい竹竿を、釣瓶のブラ下がったまま、縁側へ持って行きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「待て待て、紅皿は真新しい、買ったばかりで手が付いていない、――それに半襟だけは余計だ」平次は落着払ってその下を見ると、底の方へ押込むように入れてあるのは、一口(ひとふり)の匕首(あいくち)、抜いてみると、思いの外の凄い道具です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...真新しい畳の上に落ちて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...肩章も真新しい服に白手袋をはめた五十ばかりのチョビ鬚の男...
久生十蘭 「魔都」
...五合ほどの真新しい壁の一部が照らし出される...
久生十蘭 「魔都」
...真新しい黒オーバをまとつた銀行員風の若い紳士である...
牧野信一 「日本橋」
...真新しい白綿ネルの腰巻きをはためかせ...
宮本百合子 「上林からの手紙」
...真新しいカラアを開くような豊かな喜びを感じて第一室に立った...
横光利一 「旅愁」
...矢代は三人が結納のためいつか親戚になっている真新しい今日の事実も...
横光利一 「旅愁」
...良人のための真新しい衣服一切が襲(かさ)ねてある...
吉川英治 「大岡越前」
...――お目ざめになられましたぞ」まだ白壁も真新しい長浜の城内では...
吉川英治 「新書太閤記」
...多くは今年葉である真新しい落葉も日ざしの色を湛え匂を含んでとりどりに美しく散り敷いている...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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