...真底(しんそこ)から思いあった間柄が理屈で諦められるはずがない...
伊藤左千夫 「春の潮」
...その真底においては...
梅崎春生 「Sの背中」
...真底から歎(なげ)き悲しんでいる弟の格二郎...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...竜次郎は真底から驚嘆せずにはいられなかった...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...フオレスチャ夫人は真底から動かされてロイゼルの両手をしっかりと握った...
――モウパンサン―― 辻潤訳 「頸飾り」
...それ以上の何物でもないことも真底から確信しているんだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...真底からは青江を愛し...
豊田三郎 「リラの手紙」
...レオリスとブゼルは大道を辿(たど)っています……そこで自然の秘密を真底から知ったり...
中里介山 「大菩薩峠」
...真底想はなかつたから...
中原中也 「小詩論」
...真底そうだからそういうのです」兄の神経の鋭敏なごとく自分は熱しやすい性急(せっかち)であった...
夏目漱石 「行人」
...明らかに本心の真底までこの問題を受入れる心構えでいることだけだった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...真底からあなたを恨んでいることが私にあったらどうしますか...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...真底からそう思っているらしくいったが...
室生犀星 「陶古の女人」
...真底から恐懼(きょうく)しているふうでもない...
吉川英治 「大岡越前」
...兄者は真底(しんそこ)では憎んではおられぬように見える...
吉川英治 「私本太平記」
...真底から相分った...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼に真底からの忠なく信もなきことは...
吉川英治 「新書太閤記」
...おぬしの抱いている真底の目的を...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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