...真向から雪が吹きつけて...
伊藤野枝 「乞食の名誉」
...一わたし達の勤めている臨海試験所のちょうど真向いに見える汐巻(しおまき)灯台の灯が...
大阪圭吉 「灯台鬼」
...ばらりと振った采配に、ひらりと変る陣備え、変るが早いか、おててこて、猫に、鳶に、河童の屁、いざ来い、来れっ、と待ち受けたりーいっ」南玉は、顔を赤くし、少し、額に汗を出して、伸び上りながら「謙信公は、これを見て、やああ、奇怪なり、くそ坊主、いで目に物見せてくれん、ついでに、素っ首土産にしょ、と、抜き放ったる業物は、備前の住人、大兼光、三尺八寸二分二厘、真向、上段、大上段、頭の頭上に振りかざし、当るを幸い、右左、前後左右に、前後、細かに切ったが千六本、細かく突いたがところてん...
直木三十五 「南国太平記」
...すぐ真向(まむかい)に立っている彼(か)の高い本願寺の屋根さえ...
永井荷風 「銀座」
...そこで一刀にズバリと一頭の犬をまたも真向(まっこう)から斬って落すと...
中里介山 「大菩薩峠」
...その門の真向いには...
中谷宇吉郎 「御殿の生活」
...真向に戴いてる御用の二字は金箔捺(きんぱくお)しで光ってるんだぜ...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
......
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...彼は真向うに見える丘を一つ越えた村にゐる友達の青野を訪れるのであつた...
牧野信一 「黄昏の堤」
...つひ真向ひに腰かけてゐる女が...
水野仙子 「散歩」
...エイと叫んで障子ごと真向から仙太の肩へ斬りつける...
三好十郎 「斬られの仙太」
...瀧次こらえて気が狂ったように真向から打下ろして来かかるのを...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...彼は丁度真向に居たから...
村山槐多 「悪魔の舌」
...真向うの水と空と接した処から出た...
森鴎外 「妄想」
...真向から右胴へ、大きく跳躍し、くの字に身を沈めて...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...自分からここへ来てから真向きに坐る気持は...
吉川英治 「江戸三国志」
...それへあなたは真向(まっこう)にぶつかって行った...
吉川英治 「親鸞」
...真向いにいた禿鷹が...
吉川英治 「平の将門」
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