...切(せ)めては世間並(せけんなみ)の真人間(まにんげん)にしなければ沼南の高誼(こうぎ)に対して済まぬから...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...公高はもう真人間に立ちかえるとはいくら母の慾目でも思われません...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魂の喘ぎ」
...また十九年以前にもどって真人間になることができた」それきりでまた黙想がつづいた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...俺あ真人間にならなくちゃあならんし...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...真人間あつかいにしていなかったのだ...
太宰治 「人間失格」
...真人間になりたいかを話しはじめた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」
...せめて真人間の心に返させるつもりでしたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...超然として心を物外に居きながら敢然として身を物内に投じて活殺自在の働きを為し得る真人間は存外少ない...
二葉亭四迷 「旅日記」
...やりとげるそれが真人間のすることです...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...これから一生懸命働いてお前を病院さ入れて真人間にしてやるよ...
矢田津世子 「反逆」
...若(も)しや真人間になって帰る日もあろうかと...
山本周五郎 「お美津簪」
...あとで思い出して笑っちゃいけないよ久弥……おれははじめて真人間に帰ったんだ...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...いよいよ真人間だ...
横光利一 「旅愁」
...真人間の潔白は維持していたいとする性来の背骨があった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いったいこの世の中のどこに真人間なんて者がいるかってんだ...
吉川英治 「親鸞」
...うちの良人(ひと)が真人間になってくれるよう...
吉川英治 「親鸞」
...真人間への意欲をしきりと抱いていた折なので...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...彼の顔がいッぱいに真人間の良心と感情を激動させているのを知って...
吉川英治 「松のや露八」
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