...血の熱かい眞摯な二十二の若々しい青年であつたのだ...
石川啄木 「鳥影」
...お鳥はなほ眞面目だが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...庭に澤山ゐた小さい蛙の眞似をしてゐた姿を思ひだし...
小穴隆一 「二つの繪」
...殊にナイヤガラの寫眞見たる目には慊らぬ心地す...
大町桂月 「十和田湖」
...紙いちまいの厚さくらゐあいてゐてそのすきまから眞白い齒列が見えてゐた...
太宰治 「陰火」
...その古い方の衣裳を曾てその身が眞心こめて縫つた時のことなどを思ひ出して...
田山花袋 「道綱の母」
...三層の眞中は強き革帽子...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...其寫眞入りの記事が新聞にも出た...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...素人に寫眞を見せると屹度此は何處だと聞く...
長塚節 「教師」
...鍋の片(かけ)ら、銅の藥罐、鍋鐵、眞鍮の煙管、何でも同じこと、お望みなら山吹色の小判でも、貴方がたの鼻の先で、見事瞬(またゝ)きする間に銀にしてお目にかける...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お藤の胸を眞つ直ぐに指しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...眞の下手人ならあんなことはせずに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...眞矢を一本拔いて來て...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...眞夜中のことで、少し寢亂れてはをりますが、少しばかりの興奮に上氣(のぼ)せて、年増女の仇つぽさは容易ならぬものがあります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...栗唐(くりから)一座の、眞珠太夫の噂も、近頃平次の注意を惹(ひ)いた一つでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一面の眞理を含んで居らぬではないけれど其繰り返へすと云ふ意味は...
原勝郎 「足利時代を論ず」
...寫眞をどれ程多く集めても町そのものの眞の知識は得られないであらう...
三木清 「認識論」
...そして其の通を眞ツ直に壱岐殿坂を下ツて砲兵工廠の傍に出た...
三島霜川 「昔の女」
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