...鋭く翁の顔を一眄(いちべん)した...
芥川龍之介 「道祖問答」
...しかも意力そのもののやうに一度も左顧右眄(さこうべん)したことはなかつた...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...横顔で亭主を流眄(ながしめ)...
泉鏡花 「歌行燈」
...黙って流眄(ながしめ)に見ていたが...
泉鏡花 「婦系図」
...最初から他の民族への迎合を考えて右顧左眄し始めたらそれはすでに芸術の自殺である...
伊丹万作 「映画と民族性」
...名画の中の二人へ朝の挨拶がわりに横眼でじろりと一眄(いちべん)した瞬間...
海野十三 「すり替え怪画」
...ところが素々(もともと)事大(じだい)思想に囚(とら)えられていた朝鮮は左顧右眄(さこうべん)...
大隈重信 「日支親善策如何」
...もう左顧(さこ)も右眄(うべん)もして居られません...
太宰治 「惜別」
...人真似や右顧左眄の産物には決してあり得ないことだ...
戸坂潤 「読書法」
...板壁に頭を凭らせて陰気に煙草の煙を吹上げている廿歳ばかりの中形美人の方へ流眄(ながしめ)をし...
久生十蘭 「魔都」
...不気味な流眄(ながしめ)をしてゐる両の眼からは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...流眄(ながしめ)ともつかず注目ともつかない眼ざしをすらりとさほ子の頬の赤い丸顔に投げ...
宮本百合子 「或る日」
...生れつき流眄(ながしめ)を使う浮薄な...
宮本百合子 「アンネット」
...左顧右眄(さこうべん)させて...
宮本百合子 「概念と心其もの」
...」矢代から東野へ瞬間流眄を向けそう云う真紀子の笑顔を見て...
横光利一 「旅愁」
...潜水服を著(き)たお伽噺(とぎばなし)の怪物の顧眄(みえ)をしながら腐つた紅(あか)いダリアの花に取り縋(すが)る...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...余計なことをと云わぬばかりの流眄(ながしめ)を見せた...
吉川英治 「剣難女難」
...展墓者名簿(てんぼしゃめいぼ)を一眄(いちべん)すると...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??