...右顧左眄するの餘裕がない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...此處に俺を待つものは、譬へるものもないやうに尊い、聖い魂が、惱みながらも猶踏み迷はず、右顧左眄せずに、痛快に切れ味よくその往く可き道を進んだ一生であつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...黙って流眄(ながしめ)に見ていたが...
泉鏡花 「婦系図」
...ぢろりと此方(こなた)を流眄(しりめ)に懸けたり...
泉鏡花 「海城発電」
...最初から他の民族への迎合を考えて右顧左眄し始めたらそれはすでに芸術の自殺である...
伊丹万作 「映画と民族性」
...ところが素々(もともと)事大(じだい)思想に囚(とら)えられていた朝鮮は左顧右眄(さこうべん)...
大隈重信 「日支親善策如何」
...それから小光は顏を上げて三味線の調子を合せながらも尚時々三藏の方に流眄(ながしめ)をくれる...
高濱虚子 「俳諧師」
...気まぐれに寒子に眄をくれながら「今晩は(ボンソアール)お嬢さん(マドモアゼル)」と呼びかけて通つて行く...
林芙美子 「瑪瑙盤」
...チラリとキャラコさんのほうへ流眄(ながしめ)をくれて...
久生十蘭 「キャラコさん」
...馬のほうへ流眄(ながしめ)をつかいながら...
久生十蘭 「キャラコさん」
...額に瘤のある男がじろりと相手の顔へ不機嫌さうな流眄(ながしめ)をくれながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...流眄(ながしめ)を送って...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...左顧右眄(さこうべん)させて...
宮本百合子 「概念と心其もの」
...それがつまらぬ流眄(りうべん)は不用意だつた...
三好達治 「銀座街頭」
...男のように左顧右眄(さこゆうべん)しないで...
森鴎外 「雁」
...もはや右顧左眄(うこさべん)しているときではない...
吉川英治 「私本太平記」
...展墓者名簿(てんぼしゃめいぼ)を一眄(いちべん)すると...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...その人は右顧左眄(うこさべん)してはならない...
吉川英治 「源頼朝」
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