...此處に俺を待つものは、譬へるものもないやうに尊い、聖い魂が、惱みながらも猶踏み迷はず、右顧左眄せずに、痛快に切れ味よくその往く可き道を進んだ一生であつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...彼は此等のものを默殺若しくは顧眄して過ぎた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...流眄(ながしめ)に岡を見やった...
有島武郎 「或る女」
...黙って流眄(ながしめ)に見ていたが...
泉鏡花 「婦系図」
...いいじゃないですか」「困るんですよ」と帆村はパントポンの壜に一眄(いちべつ)を送りながら云った...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...物を見る目はおのずから流眄(ながしめ)になって...
中里介山 「大菩薩峠」
...流眄とをやめることができませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...周圍(しうゐ)に對してどうしても左顧右眄(さこうべん)せずには居られないといふところがあるかも知れません...
南部修太郎 「三作家に就ての感想」
...気まぐれに寒子に眄をくれながら「今晩は(ボンソアール)お嬢さん(マドモアゼル)」と呼びかけて通つて行く...
林芙美子 「瑪瑙盤」
...右顧左眄して辺城僻村の攻略をする代わりに...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...宇宙の大法則に引きずられて彼は今こゝに衆人の冷たい顧眄(ながしめ)を慕うて来た...
平出修 「夜烏」
...右顧左眄(うこさべん)し...
本庄陸男 「石狩川」
...この男は左顧右眄(さこうべん)することをなさない...
森鴎外 「空車」
...道士は予等の為めに祭典の日に用ひる華文紅錦の道服を著けて顧眄(こべん)の態を為して見せた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...冷たい眼で一眄(べん)したのみで...
吉川英治 「三国志」
...一眄(べん)をくれて...
吉川英治 「三国志」
...庭先へ膝をついた彼女をじろりと一眄(いちべん)しながら...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...唖の岩松を連れて出い」羅門はその方をじろりッと一眄(いちべん)して...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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