...多少の手数を省く為にいつも我々には必要である...
芥川龍之介 「西方の人」
...余計な事は一切省くことにいたしましょう」「なに...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「深夜の客」
...そうしたうるさい私の心理風景は省くとして...
高見順 「如何なる星の下に」
...それ以來『を』丈けでなく『の』『は』『が』なども省く事を知つた...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...私は之を省く...
戸坂潤 「科学方法論」
...国から旅費を送らせる手数(てかず)と時間を省くため...
夏目漱石 「こころ」
...面倒を省くためにイブセンの泊っている宿屋で...
夏目漱石 「模倣と独立」
...料理法は釣る方とは関係がちがうから省くが...
火野葦平 「ゲテ魚好き」
...その実(じつ)はこれがため費用を省くにもあらず...
福沢諭吉 「旧藩情」
...詳細は省くが、僕もいよ/\仮装に就いての思案に耽り出して見ると、考へること/\が、悉く物資を要するものばかりで、それが儘にならず、僕は苛々として出場を見合せようとさへ思つたが、発案者の手前それもならず、困惑のあまり幾日も寝て暮すうちに日が迫り、或朝鏡を見ると頭髪もも蓬々として、恰も池の化物ニツケルマンのやうな様子に気づいたので、止むを得ずそのまゝ隣家よりボロ/\の野良着を借り出し棕櫚の枯葉を被り、泣き出したいやうな心地になつて、プレツケツケツリス/\、ギヤウ/\――と叫びながら会場に駆けつけると、歌で意味を知つてゐる村人は、非常に拍手して僕を迎へ、娘共は皆なラウデンデラインになりたがつて、僕に追ひ廻されるのを喜び――他の、源頼政も、白井権八も国定忠次もテルテ姫も切ラレ与三郎も――皆なテレてしまつたといふ気の毒を醸し、加けに僕が一等賞に推されて金貨を獲得してしまつたのである...
牧野信一 「途上日記」
...今省く...
正岡子規 「萬葉集を讀む」
...我邦の妻君は食物拵(ごしら)えをさも余計な仕事のように蒼蠅(うるさ)がってどうしたらちょこちょこと早く副食物(おかず)が出来るだろうと手数を省く工風ばかりしている...
村井弦斎 「食道楽」
...私らにはよくわからない社会のことですから上の品は省くことにしましょう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...文は例の如くであるから省く...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...どう手を省くかについて智慧を働かすことを怠(おこた)りません...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...忙しい日の労を省くと思っていたのである...
柳田国男 「年中行事覚書」
...わが歌に省くべきもの無し...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...しかしここにはすべて省く*...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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