...其實彼等を益する何物もないのに失望するならば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...然も我に於て寸毫(すんがう)の益する処あらず...
泉鏡花 「愛と婚姻」
...家庭を益することは少く...
伊藤左千夫 「家庭小言」
...凡(およ)そわれに益するところあらむと願望するの情...
太宰治 「もの思う葦」
...何人(なんびと)をも益することなくして...
寺田寅彦 「錯覚数題」
...他を損して己れを益するは彼の方便なり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...人を損(そこな)いて己れを益するにあらず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...例の「美しくして高遠なるもの」を益するためとしてもよろしい...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...利用厚生にまで人を益する働きは...
中里介山 「大菩薩峠」
...或る学問の系統的進歩に何等稗益するものではない...
平林初之輔 「文学の本質について(一)」
...その形は美に似たれどもその実は世に益することなし...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...其國民が何か大事業を擧げて國に益する歟...
福沢諭吉 「帝室論」
...また後進をも益するようになったならば...
穂積陳重 「法窓夜話」
...彼等の批評そのものの中に現れて来ている正当な判断が作家を益するばかりではない...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...われおもふに總ての學問は人を益するを待ちて纔(わづか)に成立つとも定めがたかるべし...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...もし彼みずからをさえ益するところなくば」と(キケロ)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あわせて天下に益することができるなら――直家の子らは...
吉川英治 「新書太閤記」
...損益するところ知るべきなり...
和辻哲郎 「孔子」
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