...」爪の黒ずんだ婆さんの、皺頸(しわくび)へ垢手拭(あかてぬぐい)を巻いたのが、乾(から)びた葡萄豆(ぶどうまめ)を、小皿にして、兀(は)げた汁椀を二つ添えて、盆を、ぬい、と突出した...
泉鏡花 「薄紅梅」
...第二回の『於母影(おもかげ)』は珠玉を満盛した和歌漢詩新体韻文の聚宝盆(しゅうほうぼん)で...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...しかしサンホセ盆地の錯綜する道路網を...
梅崎春生 「日の果て」
...覆盆子(いちご)のまみは耀(かがや)きぬ...
薄田淳介 「白羊宮」
...それはビールとコツプを乗せた盆を持つてゐた...
田中貢太郎 「牡蠣船」
...ゆたかに盛られた盆の柿...
種田山頭火 「草木塔」
...私の郷里では盆踊りが済むと『笠破り』と称して連中は必ず溝川から泥鰌を掬つて来...
田畑修一郎 「出雲鉄と安来節」
...手の傍にあつた煙草盆をみのるに投げ付けた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...銀盆に、ジンフィールのコップ二つと、チーズの小皿...
豊島与志雄 「化生のもの」
...父は近頃買入れた松の盆栽をば...
永井荷風 「一月一日」
...机の側には久須と湯呑とが盆に載せられ...
永井荷風 「来訪者」
...この時代では何よりの贅沢(ぜいたく)とされた銀の吸口のチョッピリ付いた煙管(きせる)で煙草盆を引寄せる平次は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...言やがつたな」平次は思はず煙草盆を持つて立上がりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...近々と煙草盆を持って来た笹野新三郎は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...擂鉢型の丘にとり巻かれた盆地の競場場に八方から降りそゝぐ滝のやうに集中して...
牧野信一 「南風譜」
...あるいはこの盆栽はどの台へ適するとか...
正岡子規 「病牀六尺」
...その各戸に盆栽の作られている村を私はあまり他所では見受けないのであります...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...』『茶盆は毎日お使ひになつたものでせうな...
水野仙子 「女」
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