...皮肉にも反(かえ)って犯行のあった疑いを深く抱かせるようになりました...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...いささか皮肉にも響く言葉であった...
海野十三 「大使館の始末機関」
...皮肉にも大熊老人一人が生きのこった...
海野十三 「仲々死なぬ彼奴」
......
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...そしてこの反ノルム自身が皮肉にもノルムの名を僭称しているのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...クリストフは皮肉にも判断することを拒んだ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そして皮肉にも、取調べの最後の日、主任検事は、広島の原爆の講義を被告から聞くために検事団を召集して、黒板を前にこれを学ばねばならぬというような醜態を演じていたのである...
中井正一 「歴史の流れの中の図書館」
...一生を焦躁と憤懣(ふんまん)との中に送った伯父の遺言が、皮肉にも、憤(いきどお)る勿(なか)れ、となっていたのである...
中島敦 「斗南先生」
...皮肉にも今まで雲に隠れていた乙女(ユンクフラウ)も坊主(メンヒ)も顔を出した...
野上豊一郎 「吹雪のユンクフラウ」
...皮肉にも前述の如くつんぼで盲目で...
牧逸馬 「運命のSOS」
...いつでもこの詩が愛誦されたときだった社会主義リアリズムをはな/″\しく引っさげて打って出た時は皮肉にも彼が実にリアルに沈滞した時だっただが彼の沈滞は一九〇五年のベードヌイ以上ではないさすらい人めいた述懐がちらつこうと常に中国人民に詩と情熱をそそいでいる森山でなければならぬ...
槇村浩 「人民詩人への戯詩」
...何とゆうこゝは自由なそしてほゝえましい世界だらう!そして ある日僕は板じきの上にのんきなアルマジロのように寝転んで手あたり次第に本のページをくってゐたそれは皮肉にも...
槇村浩 「長詩」
...たまたまそこへ皮肉にももうその頃新国劇へ転じていたかつての婚約者たりし宝塚の女優さんの名の入った近日びらの...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...しかしそのためか皮肉にもすぐ再版になった...
柳宗悦 「四十年の回想」
...それが皮肉にも常にバランスがとれないで...
吉川英治 「折々の記」
...皮肉にも、そのそれ矢は、李湛の背にあたって、李湛は馬から落ちて死んだ...
吉川英治 「三国志」
...祝着にぞんずる」信長は、彼の世辞に、苦笑を禁じ得なかったが、皮肉にも、「いや、御威徳によって、後事に憂いもなく、一途(いちず)に戦えましたために」と、いった...
吉川英治 「新書太閤記」
...皮肉にも浜子の死後まもなく...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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