...いささか皮肉にも響く言葉であった...
海野十三 「大使館の始末機関」
...皮肉にも大熊老人一人が生きのこった...
海野十三 「仲々死なぬ彼奴」
...彼が犯人と指摘した人物は、皮肉にも、警察署の留置場に一と晩送って、この上ないアリバイを拵えていたのだった...
海野十三 「ネオン横丁殺人事件」
...しかも一方東京市中の子供達の間には、皮肉にも、奇妙な遊戯が流行していた...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...皮肉にもA女のはうは...
小穴隆一 「二つの繪」
...それが夜になると皮肉にもカラリと晴れて...
大阪圭吉 「寒の夜晴れ」
...皮肉にも新らしい血が...
大阪圭吉 「坑鬼」
...皮肉にも平尾氏の身の上に好い結果をもたらしました...
薄田泣菫 「恋妻であり敵であつた」
...紀州街道に沿つてゐて皮肉にも住吉堺あたりの物持が自動車で往き来するので...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...どう見たって皮肉にも彼女はそれらの恩恵に一切浴していないのだ...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「長い部屋」
...処が一般に歴史家は皮肉にも...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...そしてこの反ノルム自身が皮肉にもノルムの名を僭称しているのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...皮肉にも映画はその神を恐れざるものの表情をもって...
中井正一 「美学入門」
...その眼鏡は今朝になって見ると皮肉にもウインドヤッケの中で...
松濤明 「春の遠山入り」
...皮肉にも有田で私が悦んで求めたものは...
柳宗悦 「北九州の窯」
...しかしそのためか皮肉にもすぐ再版になった...
柳宗悦 「四十年の回想」
...皮肉にも東南風(たつみ)すらだんだんに凪(な)いでいた...
吉川英治 「三国志」
...皮肉にも浜子の死後まもなく...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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