...皮肉にも、隣りの室に忍び込んで、すべてを探偵したらしく、あったままの事実を並べて、吉弥を面と向っていじめたそうだ...
岩野泡鳴 「耽溺」
...しかも一方東京市中の子供達の間には、皮肉にも、奇妙な遊戯が流行していた...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...皮肉にも新らしい血が...
大阪圭吉 「坑鬼」
...皮肉にもいまその情景が...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...皮肉にも別れ話の段になってようよう互にこだわりがなく打ち解けることが出来たのである...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...どう見たって皮肉にも彼女はそれらの恩恵に一切浴していないのだ...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「長い部屋」
...処が一般に歴史家は皮肉にも...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...皮肉にも映画はその神を恐れざるものの表情をもって...
中井正一 「美学入門」
...皮肉にも、慈悲にも、同様に取れるところが一茶の身上(しんじょう)である...
中里介山 「大菩薩峠」
...一生を焦躁と憤懣(ふんまん)との中に送った伯父の遺言が、皮肉にも、憤(いきどお)る勿(なか)れ、となっていたのである...
中島敦 「斗南先生」
...皮肉にも今まで雲に隠れていた乙女(ユンクフラウ)も坊主(メンヒ)も顔を出した...
野上豊一郎 「吹雪のユンクフラウ」
...疾風迅雷(じんらい)のように乗り込んで来たのは皮肉にも南部の藩士である...
本庄陸男 「石狩川」
...何とゆうこゝは自由なそしてほゝえましい世界だらう!そして ある日僕は板じきの上にのんきなアルマジロのように寝転んで手あたり次第に本のページをくってゐたそれは皮肉にも...
槇村浩 「長詩」
...しかしそのためか皮肉にもすぐ再版になった...
柳宗悦 「四十年の回想」
...皮肉にも程度があるぞ...
横光利一 「上海」
...皮肉にも、ハッと見合った双者の間には、足を入れて渡るにもよしない星影川の水が十一間の幅をもって奔流しています...
吉川英治 「江戸三国志」
...皮肉にも、そのそれ矢は、李湛の背にあたって、李湛は馬から落ちて死んだ...
吉川英治 「三国志」
...――そして皮肉にも...
吉川英治 「私本太平記」
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