...皮肉にも、隣りの室に忍び込んで、すべてを探偵したらしく、あったままの事実を並べて、吉弥を面と向っていじめたそうだ...
岩野泡鳴 「耽溺」
...皮肉にも大熊老人一人が生きのこった...
海野十三 「仲々死なぬ彼奴」
...彼が犯人と指摘した人物は、皮肉にも、警察署の留置場に一と晩送って、この上ないアリバイを拵えていたのだった...
海野十三 「ネオン横丁殺人事件」
...皮肉にもいまその情景が...
大鹿卓 「金山※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]話」
...紀州街道に沿つてゐて皮肉にも住吉堺あたりの物持が自動車で往き来するので...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
......
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...却って皮肉にも意識概念の個人性を...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...この言論を中心とするかのように見えて併し皮肉にも夫とは何の実質的な関係もない処の現在の議会政治的デモクラシー(「立憲主義」)なのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...皮肉にも映画はその神を恐れざるものの表情をもって...
中井正一 「美学入門」
...皮肉にも、慈悲にも、同様に取れるところが一茶の身上(しんじょう)である...
中里介山 「大菩薩峠」
...皮肉にも今まで雲に隠れていた乙女(ユンクフラウ)も坊主(メンヒ)も顔を出した...
野上豊一郎 「吹雪のユンクフラウ」
...しかしそのためか皮肉にもすぐ再版になった...
柳宗悦 「四十年の回想」
...皮肉にも、もう電灯は消えなかった...
山川方夫 「愛のごとく」
...皮肉にも程度があるぞ...
横光利一 「上海」
...ところがその万太郎に、皮肉にも、また大きな猟奇心(りょうきしん)をあおるものが現れました...
吉川英治 「江戸三国志」
...皮肉にも、ハッと見合った双者の間には、足を入れて渡るにもよしない星影川の水が十一間の幅をもって奔流しています...
吉川英治 「江戸三国志」
...但看ル花ノ開落 言ハズ人ノ是非皮肉にも...
吉川英治 「折々の記」
...皮肉にも浜子の死後まもなく...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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