...そしてその口もとには皮肉な微笑をすら浮べてゐた...
薄田泣菫 「独楽園」
...その鼻先の皮肉な笑いで私の言葉を打ッ切ってしまって...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...可也(かなり)皮肉な出来事であつたからで...
徳田秋声 「花が咲く」
...」は底本では「鉄砲だ」]」博士は軽い皮肉なやうな調子で...
徳田秋聲 「フアイヤ・ガン」
...強いて皮肉な笑いかたをした...
豊島与志雄 「怒りの虫」
...眼にはまだ皮肉な影があった...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...皮肉な倦怠(けんたい)の様子で言った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...皮肉な言を放ってやった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...またその皮肉な老人が自分のそばをびっこひいて通りながら...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...じゃ嫂(ねえ)さんが一番気楽でいいわね」お秀は皮肉な微笑を見せた...
夏目漱石 「明暗」
...こいつは縛れつこはねエ」市ヶ谷の富藏は少し皮肉な調子で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...談話の後で舌を出す皮肉な惡漢――意地の惡い諷刺家――とさへ想像した...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...皮肉なるもの哉! だね...
牧野信一 「附「歌へる日まで」」
...皮肉な許しであつたので...
三島霜川 「自傳」
...口元に皮肉な微笑を漂はせてゐるのであつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...あんな騒ぎは二度と見たくないよ」「そうできればな」木内はまた皮肉な笑いをもらした...
山本周五郎 「へちまの木」
...言外な回顧の情と皮肉な懐かしさとがつつまれていたわけだった...
吉川英治 「上杉謙信」
...皮肉な対照でありました...
吉川英治 「江戸三国志」
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