...其処の岩鼻は直下数百尋(ひろ)の渓谷を瞰下する断崖の頂きで岩は一面に微細な青苔に蔽われている...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...深さは何百尋(なんびゃくひろ)か分りません...
泉鏡花 「印度更紗」
...百尋(ひゃくひろ)ばかり束(つか)ね上げた鮪縄の...
泉鏡花 「海異記」
...可愛い男は百尋たつ沖で烏賊を取るやら眠るやら烏賊釣りは潮時がありますので...
江南文三 「相川おけさ」
...曾て百尋の繩を下しけるに...
大町桂月 「十和田湖」
...百尋くらゐみんな一緒に上方に浮きました...
太宰治 「お伽草紙」
...百尋(ひろ)ほど沈むと...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「グーセフ」
...今でもこの海峡には海の底に狭い敷居のような浅いところが連なってその両側はそれより百尋(ひろ)以上も深く掘れ窪んでいます...
寺田寅彦 「瀬戸内海の潮と潮流」
......
長塚節 「長塚節歌集 上」
...百尋(ひやくひろ)みたいな――」「いやな事を言ふな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...猫の百尋(ひろ)のやうな三尺帶...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...菱垣の船印(ふなじるし)がねえや」「灘(なだ)の酒廻船(さけかいせん)か」「新酒船(しんしゅぶね)は八月のことでえ」「土佐の百尋石船(ひゃくひろいしぶね)か」「石船にしちゃア船腹(ふなばら)が軽すぎらい」「それにしても...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...三百尋ほどにして碇をおろしてみたが...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...二百尋くらいの高さをゆっくり飛んで...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...九百尋のところより矢を射らば...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...王国や公国より五百尋(ひろ)も高いところにいる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...二三百尋(ぴろ)もある海(ところ)で碇(アンカ)なんか利きやしないからね...
夢野久作 「焦点を合せる」
...間(あいだ)の小さい卓子(テーブル)一つが百尋(ひろ)もある溝のように思われ...
蘭郁二郎 「鉄路」
便利!手書き漢字入力検索