...白藤の花ちる蔭に身をよせて...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...白藤の花とその家……そこに彼女の面影がありました...
豊島与志雄 「白藤」
...ただ一つ、白藤の木に、彼女の心は深く繋がれてるようでした...
豊島与志雄 「白藤」
...その白藤を、美代子は俄に発見したかのようでした...
豊島与志雄 「白藤」
...かなたにてきらめく川やさてはまた遠山の雪その枝にからすとまればざんざんと実はうちゆるゝこのときに教諭白藤灰いろのイムバネス着ていぶかしく五助をながめ粘土地をよこぎりてくる...
宮沢賢治 「〔洪積の台のはてなる〕」
...白藤の花は三房あります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私たちの白藤の樹ね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...藤色の? 今年は白藤一つも花をつけず...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...白藤のひと気の毒です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私たちに白藤をくれた古田中夫人(母のいとこ)のこと名だけも覚えていらっしゃるでしょうか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この間「白藤」かいたこと申しましたろう? そしたら良人が大変よろこんで礼をよこし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「白藤」へは、性質上かきませんでしたが、母が話したことがあります、「品川の伯父さんは、あれだけの人物でいながら、妙なことを云ったことがあるよ、よっちゃん、おじさんが一生御恩にきるから何とか大将のところへお嫁に行っとくれ、って...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...白藤か淡紫かあの花の咲くまで見ていよう」陽あたりのわるいせいか...
吉川英治 「黒田如水」
...完全に自分たちの門閥(もんばつ)で朝廷の実権を占めようとする新任の関白藤原基通(ふじわらのもとみち)や鷹司(たかつかさ)右大臣などの意志がかなり微妙に作用しているものと見て大差ない...
吉川英治 「親鸞」
...白藤鷺太郎は、先刻(さっき)からの花火の音に誘われて、二階の娯楽室から、松の枝越しに望まれる海の背に見入っていた...
蘭郁二郎 「鱗粉」
...山鹿は、あの「気がついてみると、前方を慥(たしか)に白服の男とあの少女との二人が歩いていた――」といった鷺太郎の言葉が、なぜかひどく気にかかると見えて、『ね白藤さん、いったいその二人は、どの辺から来ましたかね……』とか、『どんな様子でした、その男は――』とか、執拗(しつこ)いまでに、訊くのであった...
蘭郁二郎 「鱗粉」
...『……どうもねえ、白藤さん、どうも僕はこの蛾とか蝶とかいうのが、世の中の何よりも恐(おそ)ろしくてねえ……だれだって、そら、人にもよるけれど蛇がこわいとか、蜘蛛(くも)が怕いとか、芋虫をみると気が遠くなるとかいうけれど、僕にとって、蛾や蝶ほど怕い、恐ろしいものはないんですよ……そうでしょう...
蘭郁二郎 「鱗粉」
...『白藤君――』と呼止められた...
蘭郁二郎 「鱗粉」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??