...白々した路が一筋どこまでも続いていた...
徳田秋声 「爛」
...静心夜が更けて遠くで鷄が鳴いてゐる明日はこれでお米を買ひませう私は蜜柑箱の机の上で匂ひやかな子供の物語りを書いたのですもしこれがお金になつたならば私の空想は夜更けの白々した電気に消へてしまふのです私は疲れて指を折つて見ました二日も御飯を食べないのでとても寒くてホラ私の胃袋は鐘のやうにゴオンゴオンと鳴つてゐます...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...真面目な話がさ」久磨子さんが拍子ぬけしたような白々した顔で帰って行った...
久生十蘭 「だいこん」
...白々した二月の日が射し込む美しい室のなかで...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...夏の名殘の露草に混つて薄だとか女郎花(をみなへし)だとかいふ草花が白々した露の中に匂ひそめた...
若山牧水 「姉妹」
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