...父が妾宅へ出かけた後でも母には「きょうは詩の会ですって」などと白々しい(うそ)をついたりしていた...
芥川龍之介 「玄鶴山房」
...永遠に修繕し得ない白々しいひび割れが出来るような恐怖におびやかされているのでした...
太宰治 「人間失格」
...自分の方へ來ては莫迦に白々しいことをいふ...
徳田秋聲 「媒介者」
...その白々しいなかで...
豊島与志雄 「塩花」
...」「よくそんな白々しい嘘がつけたもんだね...
豊島与志雄 「少年の死」
...御自由に」先夜とは打って変った白々しい気前ぶりを見せた言い方...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの白々しい言葉を思いだす……〈ご安心なさいませ...
久生十蘭 「だいこん」
...白々しい哀れな独断家であつたことを...
牧野信一 「小川の流れ」
...狡いとか白々しいとかといふ風な感じを与へて二重に苛立たせた結果に赴いたと想像された...
牧野信一 「喧嘩咄」
...何んにも見えない真昼の白々しい澱んだ静けさの中で余は...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...白々しい安易と陶酔の裡で愚かな微笑を洩らす...
牧野信一 「痴想」
...お互によくも平氣で白々しい出たらめを書いてゐられるものである...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...もう優しみを含んだ白々しい聲で...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...しかし又すぐに何も知らぬ白々しい顔になって冷笑した...
夢野久作 「継子」
...同時に余りにも白々しい二人の冷静さに...
夢野久作 「冥土行進曲」
...どこ嘯(うそぶ)いて左様な白々しい音(ね)が出るのじゃ...
吉川英治 「剣難女難」
...白々しい空虚ができる...
吉川英治 「新・水滸伝」
...「盗賊だと」「白々しい」「もう一度...
吉川英治 「宮本武蔵」
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