...白々とした怪光に照らし出されている!(一体これはどうしたわけか?)さすがの帆村も呆然(ぼうぜん)として...
海野十三 「千早館の迷路」
...彼は窓際から射して来る白々とした朝の光のうちに...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...白々と私の足もとを這(は)い廻っていた...
太宰治 「列車」
...頭のなか全体が曇り日の夜明けのように白々しくなった...
豊島与志雄 「立枯れ」
...それは白々とした良い月夜だつたが...
中島敦 「環礁」
...あの白々しい日の照る...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...恋人かな……私は妙に白々とした空間をみやっていた...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...「友田さん、先日から、争議のことでは、お世話になっとります」「いや、どうも、うまく運ばんでなあ、君たちには、気の毒に思うとるよ」友田は、白々しく、頭をかいた...
火野葦平 「花と龍」
...白々しく言つたばかりでした...
牧野信一 「愚かな朝の話」
...白々しさに澄み渡つてゐるばかりで...
牧野信一 「川を遡りて」
...」努めて白々しく呟いたが彼は一寸気が挫けた...
牧野信一 「スプリングコート」
...」と僕は白々しく云つた...
牧野信一 「センチメンタル・ドライヴ」
...俺が若し反対すれば彼奴は直ぐにでも白々しくなれるといふ風な質だからね...
牧野信一 「波の戯れ」
...「ウヰスキイは何にいたしませうか?」と白々しくとり済ました...
牧野信一 「街角」
...昔の麹は今のように白々としたものでなかったのだろうと思う...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...「…………」燭は白々(しらじら)と主客の沈黙を照らし...
吉川英治 「上杉謙信」
...白々と行く春の寂寥(せきりょう)だけがそこにあった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...見廻せばなお一つ二つのそれが岩と樹木との間に僅かの距離をおいて白々と相並んで落ちているのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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