...折柄(おりから)二十日あまりの月光が白々と明るく一面の焼跡と街路を照らしていたが...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...すると部屋が白々としたころになって...
徳田秋声 「仮装人物」
...これは真白々(まっしろじろ)に乾坤(けんこん)を白殺(はくさつ)して...
中里介山 「大菩薩峠」
...白々と立つたのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夕陽の中に白々と浮き上がるのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...白々と酒の醉ひも醒めたやうだつた...
林芙美子 「雨」
...白々と明るいが木も草も融解されてしまつたかのやうに何にも見えない...
北條民雄 「青い焔」
...その素振りがいかにも白々しいので...
水野葉舟 「北国の人」
...しだいにこの色が白々と...
柳田国男 「雪国の春」
...今日(こんにち)までも蔵元屋の騒動を他目(よそめ)に見た白々しい顔で...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...老人のように白々と弱り込んで...
夢野久作 「白菊」
...周囲に折れたり引裂かれたりしたポプラやユーカリの幹が白々と並んでいるのを見てもわかる...
夢野久作 「戦場」
...どうしたのだ」と白々しく云った...
吉川英治 「剣難女難」
...孔明の前に出ると白々しく云った...
吉川英治 「三国志」
...明々白々、あれまで、書いてしまっては消しようもない」「……...
吉川英治 「新・水滸伝」
...では、お綱は一体どこへどう消えてしまったのだろう? というに、あえて女だてらに屋根や高塀(たかべい)伝いの離れ業(わざ)をしたのでもなく、また変幻自在(へんげんじざい)な忍(しの)びの技(わざ)を弄(ろう)したのでもない、明々白々と、裸体(はだか)になっているのである...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...地底のようにシンと澱んだ小屋の中に白々とした...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...立枯の木の白々と立つ廣やかな野が見えて來た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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