...何だ? 寢ろ? カラ小癪な!默れ...
石川啄木 「赤痢」
...またされたようで癪(しゃく)に障った...
泉鏡花 「婦系図」
...こんな時にかの女の癪(しやく)がさし込むのだがと氣が付いたが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...疳癪玉(かんしやくだま)11・30(夕)故人井上馨(かをる)侯が素晴しい癇癪持だつた事は名高い事実だ...
薄田泣菫 「茶話」
...癪なので振りかへらずに歩いて行つた...
武田麟太郎 「反逆の呂律」
...それでもやはり癪だからである...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...おかしなまた癪にさわるような眼です...
豊島与志雄 「碑文」
...癇癪玉を押えつけるのを...
豊島与志雄 「水甕」
...私は東桂さんの煎薬ぐらゐではいつかな生れるけしきがなかつたのみか気の短い父が癇癪をおこして噛みつくやうにいふもので...
中勘助 「銀の匙」
...癪の薬か岩見銀山か...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...疳癪(かんしゃく)もちの母は...
長谷川時雨 「源泉小学校」
...癪にさはつて、出されたカステイラを毟つて食べ、お茶をがぶ/\飮んでゐた、岡本敬二坊ちやんを、眼にうかべて、わたしはそこのところを幾度も讀んだので忘れないでゐる...
長谷川時雨 「八歳の時の憤激」
...例によって癇癪の一歩手前といったような凄い顔で皇帝の面を瞶めていたが...
久生十蘭 「魔都」
...肚の中で癪に障るばかりで何うしても憎い奥田を説伏せしめることが出来ないで...
牧野信一 「心象風景」
...「疝気(せんき)をも癪(しゃく)にしておく女形」の心得を四六時中忘れざりしがごとくに...
正岡容 「寄席行燈」
...それが癪にさわったのでそういうものはつけないことにしていたのですが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...むろん癪(しゃく)に障っていたから大深の就縛は新聞社には知らせなかった...
夢野久作 「近眼芸妓と迷宮事件」
...殺意と癇癪(かんしゃく)が...
吉川英治 「三国志」
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