...癇癪持のお柳が一家の權を握つて...
石川啄木 「鳥影」
...幾度も/\あんまり長い事見られると癪にさはりますからその人に云つてやります...
伊藤野枝 「内気な娘とお転婆娘」
...急に癇癪が起りましてね……そんなときには大抵海岸か山の方へ転地しましたが...
モリス・ルヴェル Level, Maurice 田中早苗訳 「誰?」
...そのためにりオネロは癇癪(かんしゃく)を起こしてほんとうに病気になった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...詫(あやま)るのも癪であった...
直木三十五 「南国太平記」
...そこで兵馬は小癪(こしゃく)にさわりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...朝から晩まで癪に障り続けだ」「そんなに癪に障るなら越せばいいじゃないか」「誰が越すもんか...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ただこの坊やちゃんが癇癪(かんしゃく)を起した時に折々ご使用になるばかりだ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...癪にさわって、癪にさわってたまらねえから、綾吉の長屋を始め、恵大寺の界隈(かいわい)を夜っぴて捜し廻りましたよ」ガラッ八は本当に口惜しそうでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...云ふこと、なすことのすべてが気に喰はず、癪の種だ...
平山千代子 「転校」
...あんまり疳癪を発(おこ)さないがいいよ」「だッて...
広津柳浪 「今戸心中」
...思わず癇癪の拳を振りあげてこのブロンズ像の頭を擲(なぐ)りつけて...
牧野信一 「ゼーロン」
...もっと高い理想に向って起つはずじゃないか」「でも癪(しゃく)にさわる」「感情に負けるな」「無礼なやつだ」「分った...
吉川英治 「三国志」
...――小癪にさわるというような...
吉川英治 「新書太閤記」
...この秦明(しんめい)を小癪(こしゃく)な偽計(ぎけい)でたばからんとするのだな...
吉川英治 「新・水滸伝」
...蠅(はえ)が小癪(こしゃく)にさわるとて...
吉川英治 「親鸞」
...いつもの癇癪(かんしゃく)持ちとは別人のように...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
...嘴(くちばし)のところに癇癪(かんしゃく)の皺(しわ)が垂れ下がる...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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