...酒でも催促するようで癪だからこっちからは出向かずと――塾では先生にお目には掛(かか)るが...
泉鏡花 「薄紅梅」
...癪(しゃく)に障(さわ)って堪(たま)らなくなった...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...癪にさはつたから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...蟷螂のやうに癇癪を起し兼ねないものだ...
薄田泣菫 「茶話」
...若い方の看護婦は『其では私の職務がどうだ』とか高慢臭い事をいふし癇癪に障つたから『もう貴女方の世話にはならんから此部屋を出て呉れ』と叱り附けた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...カッと癇癪(かんしゃく)が起って来た...
太宰治 「正義と微笑」
...何か役に立つ証拠でもあるんですか?」ヴァランタンは竹のステッキを折らんばかりに癇癪をおこした...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「青玉の十字架」
...欝ぎの虫、癪の種、さまざまなものが、人間のなかに住んで、正常な感情を引っ掻きまわすと言われているが、ここに、木山宇平のなかには怒りの虫がいつしか巣くったと、周囲の人々から見られるようになった...
豊島与志雄 「怒りの虫」
...「癪にさわる...
豊島与志雄 「孤独者の愛」
...癇癪玉(かんしゃくだま)を破裂させたような声で...
中里介山 「大菩薩峠」
...じっと癇癪玉(かんしゃくだま)の破裂するのを期待していた...
夏目漱石 「行人」
...この時も急に癇癪(かんしゃく)の角(つの)を折られた気味で...
夏目漱石 「門」
...いよいよ肝癪(かんしゃく)に障(さわ)る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...青黒い額(ひたひ)に疳癪筋(かんしやくすぢ)がピリピリと動いてゐる種類の大年増です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「一向見当がつかないから癪じゃないか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「ああ癇癪(かんしゃく)がおこる...
山本周五郎 「季節のない街」
...見たか」「癪ですな...
吉川英治 「三国志」
...何しろしょっちゅう癇癪ばかり起しているので...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「かもじの美術家」
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