...七年の間彼の全存在を充した――九年後の今日になつても猶その疵から癒える事の出來ない――マチルデの事を思つた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...病が全く癒えると共に又疇昔のやうな歡樂の生活に歸つた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...その怨み重なる伯爵夫人を――いかにして自分の気持の癒えるまで嬲(なぶ)り殺しにするかということだけが...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...その傷痕の癒えるのを待って始めて出仕したと云う...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...精神の疲労はたちまち癒えるし...
豊島与志雄 「北支点描」
...自分の心の癒えるように...
直木三十五 「南国太平記」
...百病立ちどころに癒えると申します」「――」「大井様と私は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...死んだ夫が生き返るわけはないエジス夫人は一度受けた胸の痛みが癒えるはずはなかった...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
...チブスが癒えると共に淋病も癒えたという話がある...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...癒えることのない傷口になりましたし...
山本周五郎 「橋の下」
...バックは傷が癒えるにつれてのんびりしてきて...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...しかし真剣なところが「友吉風邪」ぐらいの事で癒える吾輩の腹ではなかった...
夢野久作 「爆弾太平記」
...驚愕してむかえる家族たちに、あらましを、無念そうに語って、将門の体のいたみが、やや癒えるまで、どうか、一室をかして下さるまいかと、頼むのであった...
吉川英治 「平の将門」
...傷が癒えると再びオテル・ド・ロンのバルザックの寝巻姿のあるアトリエに妾は姿を現したのです...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
...負傷の癒えると共に再び戦争の準備にとりかかった...
和辻哲郎 「鎖国」
...傷病が癒えると共にコルテスの踏み出した第一歩は...
和辻哲郎 「鎖国」
...生涯癒えることのない大きい傷あとを残すことになる...
和辻哲郎 「藤村の個性」
...病苦は病の癒えるまで...
和辻哲郎 「ベエトォフェンの面」
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