...しかしこの名医の薬を飲むようになってもやはり甚太夫の病は癒(なお)らなかった...
芥川龍之介 「或敵打の話」
...癒る望みもない老の病に...
石川啄木 「鳥影」
...病人を電波の力で癒(なお)すなんて...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...肋膜の癒着もあったせいか...
高見順 「死の淵より」
...しかるに養生の効あって負傷も追い追い快方に赴(おもむ)いた頃一日病室に佐助がただ一人侍坐していると佐助お前はこの顔を見たであろうのと突如(とつじょ)春琴が思い余ったように尋ねたいえいえ見てはならぬと仰っしゃってでござりますものを何でお言葉に違(たが)いましょうぞと答えるともう近いうちに傷が癒(い)えたら繃帯を除けねばならぬしお医者様も来ぬようになる...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...如何(いか)にしても癒(いや)しがたい憂憤の情は多年一夜の休みもなく筆を執って来た精魂の疲労を一時に呼起し...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...癒らないものは癒らないと...
中里介山 「大菩薩峠」
...果してどれ位治癒に貢献するかということを調べたのだから...
中谷宇吉郎 「鼠の湯治」
...癒した病人のことを...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...磔刑(はりつけ)か火焙(ひあぶ)りにでもしなきゃ腹が癒えません」田之助はそう言いながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お竹は邪慳な母お鶴の病いを癒さんと夜詣りをして雪中に凍(こご)えていると...
林不忘 「仇討たれ戯作」
...しかし傷は自然治癒します...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...指端の痛みを癒(いや)しもらう...
南方熊楠 「十二支考」
...目下盲腸は癒着(ゆちゃく)しているからつれたり何か無理がゆくと工合わるい程度であるのに...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...病気が癒つたら僕は迎ひにきて貰ふんだ...
三好達治 「測量船拾遺」
...お傷手(いたで)が新女御の宮で癒(いや)されたともいえないであろうが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...このところ御覧のごとく病も癒(い)え...
吉川英治 「新書太閤記」
...癒(なお)りましょうか」「癒してやるよ」「そうですか」幇間(たいこもち)の桜川は...
吉川英治 「松のや露八」
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