...しばらく歩いて行くうちにまた癈兵になってしまう...
芥川龍之介 「浅草公園」
...人間の癈頽した状況が相当にあるのです...
井上準之助 「最近欧米に於ける財政経済事情」
...汝癈人となりたればとて絶望せんとす...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...白樺所載)二人の癈人自分は見た...
千家元麿 「自分は見た」
...父母の膝下(しっか)でただぼんやり癈人(はいじん)みたいな生活をして...
太宰治 「女類」
...まさに癈人...
太宰治 「人間失格」
...「癈人」は、どうやらこれは、喜劇名詞のようです...
太宰治 「人間失格」
...癈人、と或る見舞客が、うっかり口を滑らしたのを聞いて、流石(さすが)に、いやな気がした...
太宰治 「春の盗賊」
...癈疾(はいしつ)者...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...つまりいかなる活躍も癈兵なら一向差しつかえないことになっている...
谷譲次 「踊る地平線」
...伯は未だ遽に政治的死亡を遂ぐるの癈人に非るなり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...一つは彼女の頽癈的な情慾を示して...
豊島与志雄 「立枯れ」
...取締の大事な隱居は癈人で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...家は以前から見ると、づツと癈頽して、今にも倒れるかと思はれるやうに傾いてゐた...
三島霜川 「昔の女」
...漢医法癈(すた)れて一向この果売れず...
南方熊楠 「十二支考」
...生き甲斐のある人間に違いないだろう……しかし僕や叔父はもう人間の癈物だからね...
夢野久作 「鉄鎚」
...戦乱が生んだ餓鬼道(がきどう)の巷(ちまた)では、癈人、穀(ごく)つぶし、足手まとい以外の何者とも視(み)られなかったといってよい...
吉川英治 「私本太平記」
...それまでは全く社会の癈疾者――厄介者としかみられていなかった盲人に“平家琵琶”という一職業を与え...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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