...その水癲癇とやらいう病気でもあるまいが...
太宰治 「新釈諸国噺」
...しかも癇癖にまかせて...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...平素から雪子ちゃんの電話ぐらい癇(かん)の立つものはないと云うことになっており...
谷崎潤一郎 「細雪」
...もうずっと前から聞き覚えのある癲癇(てんかん)持ちが発作を起こして卒倒する時の叫び声であった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...癇癪玉(かんしゃくだま)を破裂させたような声で...
中里介山 「大菩薩峠」
...また藤尾を差し上げる訳にも参らなくなりますから……」「それじゃ兄さんがもしや御嫁を貰うと云い出したら困るでしょう」「なに大丈夫だよ」と母は浅黒い額へ癇癪(かんしゃく)の八の字を寄せた...
夏目漱石 「虞美人草」
...「ホホホホ一番あなたによく似合う事」藤尾の癇声(かんごえ)は鈍い水を敲(たた)いて...
夏目漱石 「虞美人草」
...そんなことを書いたシェイクスピアは百五十年以前に癇癪坊主にとんでもないことを教えたようなものだった...
野上豊一郎 「シェイクスピアの郷里」
...唯一の真実在でした」総監はまた癇癪を起しそうな顔になって...
久生十蘭 「魔都」
...まるで癇癪(かんしゃく)を起しているように聞えたろう...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...癲癇かな! と思つた...
牧野信一 「円卓子での話」
...夫婦が只さえ癇の高いところへそのわをかけた子供だから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...朝からの癇癪玉を一ぺんに破裂さしていたもので...
夢野久作 「暗黒公使」
...それ程に烈しい癇癖が今起りかけている事を察したからであった...
夢野久作 「名君忠之」
...いつもの癇癪(かんしゃく)持ちとは別人のように...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
...これが癇ばしらずにいられるか...
吉川英治 「源頼朝」
...癲癇(てんかん)のような持病があって...
吉川英治 「柳生月影抄」
...純一君は漱石を癇癪持ちの気ちがいじみた男としてしか記憶していなかった...
和辻哲郎 「漱石の人物」
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