...癇高(かんだか)い妻のお百(ひゃく)の声や内気らしい嫁のお路(みち)の声が賑(にぎ)やかに聞えている...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...癇癖(かんぺき)の強い日錚和尚は...
芥川龍之介 「捨児」
...あの爺さんのはげしい癇癪を...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...いつたい彼女は癇性(かんしょう)のせゐか...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...癇癪玉とか直接行動とかいうことは...
豊島与志雄 「水甕」
...さうしたらその日から急にひどく熱が出て唯さへ癇の強い私が夜どほしろくに眠らないのを伯母さんはお念仏をくりかへしながら夜の目もねずに看病してくれた...
中勘助 「銀の匙」
...わずかに転んだための癇癪(かんしゃく)としては...
中里介山 「大菩薩峠」
...やはり同様の堪忍なり難い癇癖を持っていて...
中里介山 「大菩薩峠」
...だからまず第一着(だいいっちゃく)にあした六時に起きて……」「御昼に饂飩(うどん)を食ってか」「阿蘇(あそ)の噴火口を観(み)て……」「癇癪(かんしゃく)を起して飛び込まないように要心(ようじん)をしてか」「もっとも崇高なる天地間の活力現象に対して...
夏目漱石 「二百十日」
...癇癪持だけに、生一本で正直者で、思いつめると待てしばしがありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...おれは癲癇(てんかん)病みもやってみた...
フレデリック・ブウテ Frederic Boutet 森鴎外訳 「橋の下」
...癲癇なのかしら? と俺が呟くと...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...店先で癇癪(かんしゃく)持らしい...
正岡容 「寄席」
...あのぽっちゃりした受口に癇を立てて...
宮本百合子 「刻々」
...どうも青野季吉は癇癪持らしい...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...憤怒や少々度を過した癇癪(かんしゃく)を見せたことがある...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それが個人では癇癪(かんしゃく)...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...あっしの方はモットおかしいんで……あっしはこれでも小手斧(こちょうな)の癇持ちでげして...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
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