...癇高い聲で云つて...
石川啄木 「菊池君」
...老人はいつものやうに癇高い声でわめくやうにこの仏像のすぐれてゐることを吹聴しました...
薄田泣菫 「中宮寺の春」
...十風の癇癪は遂に破裂する...
高濱虚子 「俳諧師」
...殆ど癇癪を起しさうになりながら...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...どうした加減かぐいとグーロフの癇(かん)に触って...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...後には癇癪(かんしゃく)の鋒(ほこさき)直接に吾身(われ)に向かうようになりつ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...ただ昨日の癇癪(かんしゃく)のなごりにすぎないような点も...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...少しも癇癪(かんしやく)なんか起さず...
豊島与志雄 「アフリカのスタンレー」
...三味線弾きになろうとしたが非常に癇(かん)が悪い...
永井荷風 「伝通院」
...あえて癇癪(かんしゃく)を破裂させなかったというものは...
中里介山 「大菩薩峠」
...「ホホホホ一番あなたによく似合う事」藤尾の癇声(かんごえ)は鈍い水を敲(たた)いて...
夏目漱石 「虞美人草」
...「行けんじゃい!」と木之助は癇癪(かんしゃく)を起して呶鳴(どな)るようにいった...
新美南吉 「最後の胡弓弾き」
...癇筋(かんすぢ)を立ててがなるのであつた...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...」お上さんの癇高い声がする...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...吹雪男の亡霊に苛まされて音無は癲癇に罹つてしまつたさうだが...
牧野信一 「鬼の門」
...次に起す小児病的な癇癖(かんぺき)を予告しているものだった...
吉川英治 「私本太平記」
...ぐっと虫が癇(かん)をおこしてきて堪(たま)らなくなる」「じゃあ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...蒲団の中で自然に足の癒るのを待っていては果てしがないから――という病人の癇癪(かんしゃく)からとすれば...
吉川英治 「宮本武蔵」
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