...油煙の立つランプ程癇癪の起るものはないとか云つて...
有島武郎 「半日」
...)さて、『父の婚禮』といふ小説のなかに、作者の父らしい人が、二尺五寸ぐらゐの長さの、おなじ太(ふと)さの、炭を、二十本ほど、弦(つる)のついた鋸で、おなじ長さに、切るのに、半日つひやすところがあるが、かういふ、几帳面さ、凝り性、癇性、妙な贅澤さ、それが病的でさへあつたところは、小劍も、持つてゐたやうである...
宇野浩二 「「鱧の皮 他五篇」解説」
...あの癇高い鳴声こそは...
薄田泣菫 「独楽園」
...好きなものゝ一つ位拵へて置く氣がつかないのか」と腹立たしさうに言つたがそれでも平常のやうに癇癪筋をいら/\させるほどには怒らない...
高濱虚子 「俳諧師」
...もし結核患者なり殺人犯なり癲癇持ちなりが来て君の娘をくれといったら...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...癇癪持(かんしゃくもち)らしい顔をした外川先生と...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...わたしは癇癪が立ってじりじりするほど...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...癲癇(てんかん)を起したとき...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...死者が癲癇(てんかん)あるいは痙攣のごとき疾病を有するものと思考し...
アンブローズ・ビヤース Ambrose Bierce 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...姉のお米はわりに癇の強いほうなもンですから...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...癇癪(かんしゃく)を起こしている...
久生十蘭 「キャラコさん」
...ちょっと癇(かん)に障ったものですから...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...癇癪(かんしゃく)は起すが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...四年の頃癲癇(てんかん)を病んで...
森鴎外 「渋江抽斎」
...あんまり何時までも発表がないもので癇癪(かんしゃく)起して折角造った提灯や旗を燃しちまったなんて話もあるくらいだ...
森本薫 「女の一生」
...癇で突っ張っているような姿に気づいて妙な心地がした...
矢田津世子 「茶粥の記」
...だが義一にはそれだけでも癇(かん)に障るとみえ...
山本周五郎 「さぶ」
...癲癇(てんかん)のように口から泡(あわ)をふいて呻(うめ)いているのを...
吉川英治 「松のや露八」
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