...乃至は瘴気(しやうき)に触れ候者のみに有之(これあり)...
芥川龍之介 「尾形了斎覚え書」
...哲学上の物質主義者……」夜更(よふ)けの往来は靄(もや)と云うよりも瘴気(しょうき)に近いものにこもっていた...
芥川龍之介 「彼 第二」
...寧ろ未醒蛮民と号しそうな辺方瘴煙(しょうえん)の気を感じたものである...
芥川龍之介 「小杉未醒氏」
...瘴霧(しやうむ)の沼あるは...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...まるで目に見えぬ瘴気(しょうき)の湧きあがるように不吉な空気が追々(おいおい)色を深め...
大阪圭吉 「三狂人」
...瘴気(miasmata)やその他のしばしば赤痢および発熱を起こすと信じられていた原因によってこれらの寄生虫が起こるとは考えられないからである...
ジョン・スノウ John Snow 水上茂樹訳 「コレラの伝染様式について」
...これらの想定上の悪臭は後に沼地瘴気と呼ばれるようになり植物質や動物物質の分解によって生じたものと考えられた...
ジョン・スノウ John Snow 水上茂樹訳 「コレラの伝染様式について」
...いつはりと此の世の瘴気とを俺から遠ざけてくれ...
ボードレール 富永太郎訳 「午前一時に」
...瘴癘(しょうれい)の気を吹き払った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...瘴煙毒霧(しやうえんどくむ)を吐く大沢(だいたく)の水の面にも譬(たと)ふべきか...
永井荷風 「夜あるき」
...瘴煙(しやうえん)起る大軍徒渉(とせふ)...
中里介山 「大菩薩峠」
...なんらの瘴煙蛮地(しょうえんばんち)はありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...瘴気のような不気味な霧がまた朦朧と島の周りを立ち迷いはじめ...
久生十蘭 「海豹島」
...この沼沢地(カデーラ)全体が蘇鉄花(イリアム・ソニア)の媚薬の瘴気に包み込まれ...
久生十蘭 「地底獣国」
...なお瘴烟(しょうえん)の裡に包まれて...
日野強 「新疆所感」
...山間の駅ゆゑ瘴気冷然たり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...とにかく僕は内地を出れば悉(ことごと)くが瘴癘(しょうれい)の地であるという考えをもっていたら間違いだ...
蘭郁二郎 「宇宙爆撃」
...そうしてこの有名な瘴癘の地に一五〇三年の四月末までまごついていた...
和辻哲郎 「鎖国」
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