...凸凹(でこぼこ)の瘤頭(こぶあたま)を臆面もなく天日(てんぴ)に曝して居るし...
石川啄木 「漂泊」
...彼もまた瘤の腕力によって自分の金庫を――整理すれば空っぽにならなければならぬそれを護ってもらいたいのだ...
犬田卯 「瘤」
...ジヤマツケどころか、お爺さんは、いまは、この瘤を本当に、自分の可愛い孫のやうに思ひ、自分の孤独を慰めてくれる唯一の相手として、朝起きて顔を洗ふ時にも、特別にていねいにこの瘤に清水をかけて洗ひ清めてゐるのである...
太宰治 「お伽草紙」
...この瘤取りの話は...
太宰治 「お伽草紙」
...お爺さんは、あわてず、にこにこして、「この瘤が、雨に打たれてヒンヤリするのも惡くないわい...
太宰治 「お伽草紙」
...唇を切っているわ額には変色した瘤があるわで...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「自転車乗りの影」
...そうして瘤附(こぶつき)との異常な形体が...
中里介山 「大菩薩峠」
...やがて二の腕へ力瘤(ちからこぶ)が急に出来上がると...
夏目漱石 「二百十日」
...依然として背中(せなか)へ瘤(こぶ)をこしらえて突っ立ったままであるそうだ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...處處に酢貝のやうな瘤のあるその枝振を眼をつぶつても覺えてゐられる程見詰めてゐたりした...
南部修太郎 「病院の窓」
...おでこに瘤のようなしこりが出来...
久生十蘭 「だいこん」
...その麻痺した部分一帯に点々と熱瘤が出てゐるのであつた...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...ただし私の考えではこのフスベは贅すなわち瘤のことであろうと思う...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...駒生まれてこの瘤あらば母馬直ちに啖(く)いおわる...
南方熊楠 「十二支考」
...それは力瘤(ちからこぶ)の入れどころが相違せり...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」
...私は決して」「おまえ額に瘤(こぶ)を出してるな」右衛門は眼を光らせて...
山本周五郎 「思い違い物語」
...瘤にひっかかって眼を醒(さま)した...
横光利一 「上海」
...二瘤山(こぶやま)の下の高原の道には...
吉川英治 「宮本武蔵」
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