...「たまるもんかお前、あの大正六七年の好景気時代に、そら貸す、そら貸すで、碌な抵当もとらずどしどし有志らへ貸し出してよ、それであの瓦落(がら)くって土地は値下り、米も値下り、繭も何もかも八割九割も下っちまったんだもの――いや、そればかりならまだいいんだよ、瘤らはじめ、無抵当の信用貸ちうのが幾口何万あるか分らねえんだから……役場員だ、村の有志だっちう人間には、全くひでえ奴らよ、判一つで何百何千でも貸したっちうんだから……無論(むろん)そいつがみんな、いまもってこげついているってわけさ...
犬田卯 「瘤」
...改めて瘤礼讃の一席を弁じた男を考えた田辺定雄は...
犬田卯 「瘤」
...」のっしのっしと瘤をゆさぶって村長は出かけてしまった...
犬田卯 「瘤」
...そんなでかい瘤を...
海野十三 「未来の地下戦車長」
...名誉な瘤ではなかったのである...
海野十三 「未来の地下戦車長」
...この舌切雀にせよ、また前の瘤取り、浦島さん、カチカチ山、いづれも「日本一」の登場は無いので、私の責任も輕く、自由に書く事を得たのであるが、どうも、日本一と言ふ事になると、かりそめにもこの貴い國で第一と言ふ事になると、いくらお伽噺だからと言つても、出鱈目な書き方は許されまい...
太宰治 「お伽草紙」
...早速右の肩が瘤(こぶ)の様に腫(は)れ上がる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...力瘤(ちからこぶ)を入れた子供たちも安心して...
中里介山 「大菩薩峠」
...瘤(こぶ)だらけの腕(うで)をまくってみせた...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...その各片はデッキの鋳瘤(いこぶ)のように...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...鼻の頭に瘤を作られるとか...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...まるで瘤牛(ジイプ)のように山野に群棲(ぐんせい)していた...
牧逸馬 「ヤトラカン・サミ博士の椅子」
...そこでオニフスベは鬼の瘤の意であると推考せられ得る...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...首のここんとこに瘤(こぶ)があるんだが...
山本周五郎 「さぶ」
...筋肉が瘤のように盛上っていた...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...トテモ八釜(やかま)しい瘤(こぶ)なんだよ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...私の大動脈瘤が描きあらわす一つの幻覚ではないかと思った...
夢野久作 「冥土行進曲」
...彼の瘤(こぶ)のように厚い肩の肉を揉(も)んでいる...
吉川英治 「増長天王」
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