...その瘢痕は赤く膨(ふく)れて背中よりも五六分隆起して上下左右思うままにピクピクと動くのです...
海野十三 「三人の双生児」
...跡が瘢痕になっているようにも見えるのでした...
海野十三 「三人の双生児」
...瘢痕のところで切開されて別々の二体となったものではあるまいか...
海野十三 「三人の双生児」
...瘢痕(きず)のようなものは見付からなくて」「気の毒だけれど...
海野十三 「三人の双生児」
...真一君の肩にあるあのいやらしい瘢痕(きず)のところには...
海野十三 「三人の双生児」
...醜怪な瘢痕(はんこん)を残すのだろうが……」私は強く首を左右に振った...
海野十三 「大脳手術」
...じっと注意深く瘢痕を眺めていたが...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...引きつっているこの瘢痕蟹足腫を見うけるであろう...
永井隆 「長崎の鐘」
...原子爆弾熱傷の瘢痕から癌が生ずるか否か? これは将来に残された重大な問題である...
永井隆 「長崎の鐘」
...瘢痕のある人はいくらかゆくてもかかぬように...
永井隆 「長崎の鐘」
...全く恐れ入りました」そうして両手を突いた中へ瘢面(はんめん)をつき込んで...
中里介山 「大菩薩峠」
...「瘢痕(はんこん)が案外堅いんで...
夏目漱石 「明暗」
...瘢痕(きずあと)だらけの顏を見たときには...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その像は巡礼の衣を著し腿(もも)に黒死病の瘢(きずあと)を帯び...
南方熊楠 「十二支考」
...瘢痕(はんこん)満面...
森鴎外 「渋江抽斎」
...二つの創の新しい瘢痕のやうに見えた...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...やがて血が止って瘢痕が残るように...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その肋骨(あばら)から背中へかけて痛々しい鞭の瘢痕(あと)が薄赤く又薄黒く引き散らされていた...
夢野久作 「あやかしの鼓」
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