...たくさんの子孫が父祖の土地を受けつぐというふうにいかなかったものかしら? 地味が瘠せていることはすくなくとも低地的な頽敗をまぬがれしめたであろうに...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...其出獄の時如何に瘠せ衰へて居るであらうかといふ考へは口には出さなかつたが母娘の胸には同時に起つた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...日ましに瘠せて弱ってきて...
田中貢太郎 「蓮香」
...やっぱり瘠せぎすな愛くるしい人だった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...瘠せっぽちで大きな眼をした顔色の悪いペーチャとアンドリューシャが酒壜を引ったくって...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...私は隣りに立つてる瘠せた小さい男に聞いて見たが...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...いらっしゃるの」銀縁(ぎんぶち)の古風な眼鏡をかけた瘠せた男は...
久生十蘭 「キャラコさん」
...たゞ踐んだものゝみが知るであろう彼は金の貴重さをよく知っていたあの多忙な地下の部署で飢えた獣のようにかっさらわれた一匹の瘠せた猫が彼等の食膳のすべてであった時組織は彼に休暇を与えたそんなにも彼は疲れ...
槇村浩 「同志古味峯次郎」
...もっと人口が多かった時の如くに瘠せた土地を耕作する必要がない時においては...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...馬も瘠せて小さかった...
水野葉舟 「遠野へ」
...瘠せて肋骨の出た馬が牽いている方に乗ろうとした...
水野葉舟 「遠野へ」
...女は日に日に瘠せるばかりで...
室生犀星 「香爐を盗む」
...姉はすこし瘠せて青ざめたような...
室生犀星 「幼年時代」
......
山之口貘 「山之口貘詩集」
...私はそれと正反対に益々青白く瘠せこけて行った...
夢野久作 「鉄鎚」
...早く面白い珍らしいものを見せておくれ」瘠せ女がこう云い切ってしまわぬうちに...
夢野久作 「白髪小僧」
...アンマリ度々人間レコードに使われるもんだからコンナに瘠せ衰えているんだ」「人間レコード……」少年ボーイはさながら生きた幽霊でも見るかのように...
夢野久作 「人間レコード」
...駈付けて参りました私の手を瘠せ枯れた右と左の手に力なく振って...
夢野久作 「名娼満月」
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