...ああ詐欺(たばかり)に身は瘠せて爭ひ多き市(いち)の上...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...其出獄の時如何に瘠せ衰へて居るであらうかといふ考へは口には出さなかつたが母娘の胸には同時に起つた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...瘠せた大きな頭を枕から落して敷蒲團に顏を埋めるやうにして咳く...
高濱虚子 「俳諧師」
...もう何にも……何にも……申上げる言葉が……ありません……」と瘠(や)せ衰えた頬(ほお)に...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...年齢四十五歳の男の物凄く瘠せ衰えた顔...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...或は生命なき瘠土(せきど)になるかも知れぬ...
徳冨蘆花 「草とり」
...私の村は瘠地であつたので自然櫟林が造られたのである...
長塚節 「隣室の客」
...少し瘠(や)せた様じゃありませんか」と云った...
夏目漱石 「それから」
...蟋蟀のやうに瘠せ衰へてゐる私は...
原民喜 「死について」
...威(おど)かしでもしたら立ちのくだろうってんで瘠(や)せた小僧に幽霊を一役やらせたところが...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...左(さ)れば瘠我慢の一主義は固(もと)より人の私情に出(いず)ることにして...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...身体(からだ)はステッキのように細くて瘠(や)せていましたので...
夢野久作 「豚吉とヒョロ子」
...女は日に日に瘠せるばかりで...
室生犀星 「香爐を盗む」
...いつか見たときとくらべるとからだ中が瘠(や)せてしまって...
室生犀星 「寂しき魚」
...瘠せとるがちょっと強い...
夢野久作 「オンチ」
...そうして古びたネル一枚の見すぼらしい寝巻姿に包まれた瘠せ枯れている玲子の手足を見まわすと...
夢野久作 「継子」
...こうも瘠せ細るものであろうか――とお粂が今更のような考えごと...
吉川英治 「江戸三国志」
...嵐の日に瘠(や)せた案山子(かかし)が吹きまくられるように...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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