...片思に瘠せてゐる人の思ひやりもなく...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...頤(おとがひ)瘠(や)せてもつとむべきを...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...冬中ファキイル僧のように仮死の状態にあったそこらの木々の瘠せかじけた黒い枝には...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...」呉俊陞氏は瘠(や)せた小狗(こいぬ)を労(いた)はるやうに赤塚氏の肩へ手をかけた...
薄田泣菫 「茶話」
...脊(せ)は高(たか)くはないが瘠(や)せて節塊立(ふしくれだ)つて...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
......
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...瘠形(やさがた)のすらりとしおらしき人品(ひとがら)...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...芸術を瘠せさせる性質のものなのである...
戸坂潤 「読書法」
...さうして瘠(や)せて行(ゆ)く土(つち)を更(さら)に骨(ほね)まで噛(か)むやうなことをして居(ゐ)るのである...
長塚節 「土」
...私の村は瘠地であつたので自然櫟林が造られたのである...
長塚節 「隣室の客」
...少し瘠(や)せたようだ...
夏目漱石 「永日小品」
...瘠(や)せた肩を斜(ななめ)にして...
夏目漱石 「虞美人草」
...燈蕊のように瘠せた脂ッ気のない女ッぷりであったが...
久生十蘭 「魔都」
...内に瘠我慢(やせがまん)なきものは外に対してもまた然(しか)らざるを得ず...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...瘠せた国にとり人口が過大になることを恐れて生じたものであるという...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...いつか見たときとくらべるとからだ中が瘠(や)せてしまって...
室生犀星 「寂しき魚」
...「ずいぶん瘠せたね...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...食えない覚悟まで文学のために持たなくてはならぬのだから日本の作家は瘠せ細って死んでしまう傾向がある...
山之口貘 「つまり詩は亡びる」
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