...まるで骨つきの痩せた...
海野十三 「蠅男」
...手の方は痩せたままであったので...
高浜虚子 「子規居士と余」
...「それでも痩せたね?」「さうですか――かういふ気風ですから...
田山録弥 「時子」
...もう年が年でもあるし、小柄な、痩せた、標致(きりょう)も、よくない女であったが、あゝ、それを思うと、一層みじめなような気がする...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...痩せた女房と赤ん坊とが牛肉を買いに駆け出して行った間に...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...痩せた細長いやつで...
豊島与志雄 「足」
...然し痩せた腺病質な体躯...
豊島与志雄 「椿の花の赤」
...萎えたるこゝろしばらくは慰む刈萱と秋海棠とまじりぬと未だはみねどかなひたるべしわびしくも痩せたる草の刈萱は秋海棠の雨ながらみむ日ごろは熱たかければ...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...〔一八七〇、六月〕首吊人等の踊り愛嬌のある不具者(かたはもの)=絞首台氏のそのほとり、踊るわ、踊るわ、昔の刺客等、悪魔の家来の、痩せたる刺客等、サラヂン幕下の骸骨たちが...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...あの女を怨(うら)んでいるわけじゃない――死んだと聴くと少しは可哀想にもなるよ」織部鉄之助は痩せた頬を撫でて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...播磨守の憂慮はなみたいていのことではあるまい」藤波は痩せた肩を聳やかすようにして...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...それは輝くばかりの美しい白髪をいただき鶴のように清く痩せた...
久生十蘭 「ハムレット」
...三十代の痩せた男である...
森鴎外 「花子」
...すみのほうは大丈夫だろうな」「あとで会おう」と痩せた男が云った...
山本周五郎 「ひとでなし」
......
横瀬夜雨 「花守」
...痩せたる民の膏血(こうけつ)で作った第宅(ていたく)の見すぼらしさよ...
吉川英治 「親鸞」
...どっと一(ひと)所へかたまって痩せた脊ぼねを波のようにみな尖(とが)らせた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...遠く針のように痩せたかと思うと一瞬にして眼一杯に立ち拡がり...
蘭郁二郎 「夢鬼」
便利!手書き漢字入力検索