...馬鍬にとりついて行く男の上半身シヤツ一枚の蟷螂(かまきり)みたいな痩せぎすな恰好はたしかに秀治にちがいなかつた...
伊藤永之介 「押しかけ女房」
...もとは苦勞人だけの垢拔けがしてゐるお豐をもこのヒステリ的な痩せぎすにしたのだと考へる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...其処へ蹣跚(まんさん)と通りかゝつた痩せぎすの和服の酔客を呼び止めて...
谷崎潤一郎 「泉先生と私」
...木村さんは見たところ痩せぎすのようだけれども...
谷崎潤一郎 「鍵」
...女は痩せぎすな弱(ひよわ)いような体つきで...
徳田秋声 「足迹」
...鼻筋の通った痩せぎすな顔に品があり...
徳田秋声 「仮装人物」
...淋しい痩せぎすな後姿などが...
徳田秋声 「爛」
...」体の痩せぎすな...
徳田秋声 「爛」
...十六、七の痩せぎすで、まみえと目のあいだにほんのり上気して、色白の頬に汗がひとすじ流れていた...
中勘助 「島守」
...三十二三の痩せぎすながら見事な恰幅(かっぷく)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...八の痩せぎすの強靱な感じのする男でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...痩せぎすの、すらっとしたいいようすで、眼だけは例によってちと大きいが、女となるとこれがかえって艶をます...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...痩せぎすな後姿を見送りながら...
堀辰雄 「美しい村」
...自慢なほど痩せぎすなお八重のことだから...
牧逸馬 「舞馬」
...宵から正面桟敷にいた痩せぎすの刺っ子を着た侠(いなせ)な頭(かしら)がガラリ楽屋の板戸を開けて入ってきて...
正岡容 「寄席」
...背は高くないが痩せぎすの色の白い...
山本笑月 「明治世相百話」
...お在りになりはしませんでしたか」後家さんは痩せぎすの色の青い...
夢野久作 「無系統虎列剌」
...倉庫や本店でよく見かける紳士然たる痩せぎすの...
吉川英治 「忘れ残りの記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??