...けれども粟野廉太郎(れんたろう)には何の痛痒(つうよう)をも与えないであろう...
芥川龍之介 「十円札」
...既(すで)に現世を超越せる者に取りては畢竟(ひつきやう)何の痛痒(つうやう)をも感ずる者にあらざる也...
石川啄木 「閑天地」
...ぼくは別段痛痒(つうよう)は感じません...
梅崎春生 「凡人凡語」
...君たち二人ぐらい奢っても痛痒(つうよう)は感じないんだ...
海野十三 「宇宙尖兵」
...印度人なぞは蛆虫(うじむし)同然にしか心得ていない大使館では我々が束になって騒ぎ立てても何らの痛痒(つうよう)も感じないであろうが...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...書物なんか盗まれても痛痒(つうよう)を感ぜぬ輩が多く...
辰野隆 「愛書癖」
...何等の痛痒を感ぜぬだらうが...
辰野隆 「浜尾新先生」
...それ人は利害もっとも切なるの点に向かってもっともその痛痒(つうよう)を感ず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...われわれにはなんらの痛痒(つうよう)もない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...老人の身には本より何等の痛痒をも感じさせぬので...
永井荷風 「百花園」
...来らざる間は痛痒(つうよう)の感覚から離脱している...
中里介山 「大菩薩峠」
...何らの痛痒(つうよう)を彼に与えるに足りなかった...
夏目漱石 「明暗」
...いつ這入ったところが一向(いっこう)痛痒(つうよう)を感じないのである...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...寒温痛痒の軽重(けいちょう)を明言する能わずして...
福沢諭吉 「女大学評論」
...痛痒(つうよう)...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...ミヅグルマはいささかの痛痒も覚えなかつた...
牧野信一 「沼辺より」
...果して何の痛痒(つうよう)も感じないのだろうか...
横光利一 「夜の靴」
...なんの痛痒(つうよう)も感じないばかりでなく...
吉川英治 「宮本武蔵」
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