...藤森氏の文は大家(たいか)たる宇野氏に何(なん)の痛痒(つうやう)も与へぬであらう...
芥川龍之介 「解嘲」
...けれども粟野廉太郎(れんたろう)には何の痛痒(つうよう)をも与えないであろう...
芥川龍之介 「十円札」
...一撃に敵を打ち倒すことには何の痛痒(つうやう)も感じない代りに...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...暑い時なのでその痛痒さがやり切れぬ...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...前者に不利益なことが後者にさう痛痒(つうやう)を感じない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...さういふ皮膚病に罹つて鹽湯に入ると箆棒に痛痒い...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...いっこうに痛痒をかんじない顔であった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...痛痒いやうな気分である...
種田山頭火 「行乞記」
...心持ち痛痒(いたがゆ)いような感じで...
徳田秋声 「仮装人物」
...俺は何等の痛痒も感じない...
豊島与志雄 「猫捨坂」
...ちつとも痛痒(つうよう)は感じないであらうと思ふ...
長谷川時雨 「むぐらの吐息」
...固(もと)より他の一方に痛痒(つうよう)なけれども...
福沢諭吉 「日本男子論」
...他国他政府に対しては恰(あたか)も痛痒(つうよう)相(あい)感(かん)ぜざるがごとくなるのみならず...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...そつちの頬を撫でたり叩いたりするのを見てさつき女房に打たれた時の痛痒を思ひ出したりしてゐた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...加えられた痛痒(つうよう)が消え去ると同時に立ち止まるという風であった...
牧野信一 「ゼーロン」
...別段私は痛痒も感ずる筈もなく獲り逃した蝶々の方が遥かに悩ましい夢であつた...
牧野信一 「るい」
...痛痒い気持になることであろう...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...痛痒(いたがゆ)いような気持でそっとひきさがった...
山本周五郎 「契りきぬ」
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