...あるむず痒い不快を感じて目を醒すと...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...細君は刷毛を口にくはへて糊のついた手の甲で左の袖をまくり上げて痒い所を散々に掻く...
高濱虚子 「俳諧師」
...「アヽ痒い...
高濱虚子 「俳諧師」
...痒いところを掻く雪空...
種田山頭火 「行乞記」
...痛痒いやうな気分である...
種田山頭火 「行乞記」
...痒い処に手の届くと申しまするが...
徳富蘇峰 「弟を葬る」
......
富澤赤黄男 「天の狼」
...歯痒(はがゆ)い歯痒い我が夫...
中里介山 「大菩薩峠」
...「おやおや、蚊が出やがった、おお痒(かゆ)い、痒い、こいつはたまらねえ」いつのまにか蚊に手の甲を、したたかに食われていました...
中里介山 「大菩薩峠」
...イラ痒い瞼、ひえびえとする野面の風にひえびえとしたみすぼらしい顔の中から、この遠近(をちこち)を嘆賞するもないもんだなぞ、云つては呉れるな人々よ、自然の与件は、何時でも生理のまゝに享受してゐる者でこそあれ、希望を持つて生きてゐるとも云へるので、其の他はすべて、謂はば野心で生きてゐるのだ...
中原中也 「その一週間」
...痒い痛いと申す感じはある...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...痒(かゆ)い痒いと云いながら無暗(むやみ)に顔中引き掻(か)いたのだそうだ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...皮膚の治療(痒いのは寄生虫によるとされる)には多くの外用薬...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...道中奉行は行列をとめ、山添椿庵という御側医者に御容態を伺わせたが、只、「痒い、痒い」とわめかれるばかりで手の施しようもない...
久生十蘭 「玉取物語」
...花の美しい襟足のあたりを呆然と手を束ねて眺めているのは見るも歯痒い有様...
久生十蘭 「魔都」
...痒い処が出来て困りますが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いきなり痒いところを尚(なお)痒くえぐるような毒々しさをもっていた...
室生犀星 「幻影の都市」
...痛痒い気持になることであろう...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
便利!手書き漢字入力検索