...始めて予が心の創痍(さうい)を医し得たるの一事は疑ふ可(べか)らず...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...マリウチアは手に淺痍(あさで)負ひたる我を伴ひて...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...多少我創痍(さうい)に灌(そゝ)ぐ藥油となりたれども...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...身体(みうち)の痍(きず)を舐(ねぶ)りつつ...
巌谷小波 「こがね丸」
...痍(きず)に惱める胸もどき...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...見よ下等動物の傷痍(きず)を癒(いや)すにおいて自然法の速(すみや)かにして実功多きを...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...心の傷痍(きず)をも救つて呉れた男に対する感謝の色がはつきりと上つて来てゐた...
田山録弥 「波の音」
...自由党は此れが為めに一大傷痍を受けたると共に...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...新たなる創痍(きず)を胸の中に呼び醒(さ)まされて涙を呑みました...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼(かれ)は只管(ひたすら)肘(ひぢ)の瘡痍(きず)の實際(じつさい)よりも幾倍(いくばい)遙(はるか)に重(おも)く他人(ひと)には見(み)せたい一種(しゆ)の解(わか)らぬ心持(こゝろもち)を有(も)つて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...然(しか)し餘(あま)りに能(よ)く瘡痍(きず)其(その)物(もの)の性質(せいしつ)を識別(しきべつ)した醫者(いしや)は...
長塚節 「土」
...松葉杖をついた傷痍軍人...
久生十蘭 「黄泉から」
...この傷痍(しょうい)軍人が寝室で死の淵にあるため...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...フランスがこの恐るべき傷痍がいかなるものであるかを覚(さと)るのは...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...壁にも痍(きず)が附くかも知れないというのである...
森鴎外 「鶏」
...――尊氏が創痍(そうい)の舟軍をひきつれて...
吉川英治 「私本太平記」
...肩のあたりに一矢の矢痍(やきず)をうけていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...肱(ひじ)の槍痍(やりきず)を巻いていた野中三五郎という若い近習(きんじゅ)が...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索