...村肝(むらぎも)の心の痍(きず)を...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...見よ下等動物の傷痍(きず)を癒(いや)すにおいて自然法の速(すみや)かにして実功多きを...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...しかしそれは祖国の瘡痍(そうい)を繃帯(ほうたい)せんがためであった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...万人に一人の人になってみなければならない――」易(えき)にぶっつかって創痍満身のお銀様が...
中里介山 「大菩薩峠」
...まあだ壯(さかり)だからそんでも何處(どこ)へか拵(こしら)えたかえ」輕微(けいび)な瘡痍(きず)を餘(あま)りに大袈裟(おほげさ)に包(つゝ)んだ勘次(かんじ)の容子(ようす)を心(こゝろ)から冷笑(れいせう)することを禁(きん)じなかつた醫者(いしや)はかう揶揄(からか)ひながら口髭(くちひげ)を捻(ひね)つた...
長塚節 「土」
...彼(かれ)は自分(じぶん)の瘡痍(きず)が輕(かる)く醫者(いしや)から宣告(せんこく)された時(とき)は何(なん)となく安心(あんしん)されたのであつたが...
長塚節 「土」
...予は渠が創痍の速に癒えて後送せらるゝ日を待つや切なり...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...菊池寛氏が失明傷痍軍人を招き...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...胸の傷痍をまざまざと見せつけて...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...この傷痍(しょうい)軍人が寝室で死の淵にあるため...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...「早稲田文学」で、中務保二氏の、創痍、和田伝氏の、決壊、「行動」で、平田小六氏の、雨がへし、「改造」で、坪田譲二氏の、お化けの世界、「中央公論」で、丹羽文雄氏の、岐路など、坪田氏をのぞいて、ことごとくはぢめて出遇つた作家のものでたんねんには読みましたが、特に悪作だといふわけではなく、それぞれむしろ小説らしい小説とは見えるのですが、少くも胸にひゞいて来るところがなく読むためには相当の努力が必要であるだけだつた...
牧野信一 「浪曼的月評」
...人口の数の上での傷痍が急速に恢復されるということで...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...受けた痍(きず)あとがそんなに簡単に治るもんですか...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...壁にも痍(きず)が附くかも知れないというのである...
森鴎外 「鶏」
...満身創痍の大敗に恥を噛んで国へ帰る将士の気持としては...
吉川英治 「三国志」
...肩の痍(きず)からあふれ出る血しおに...
吉川英治 「三国志」
...残る人々もすべて満身創痍(そうい)を負って...
吉川英治 「新書太閤記」
...痍(きず)だらけになり...
吉川英治 「平の将門」
便利!手書き漢字入力検索