...その創痍に堪へる為には...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...痍(きず)に悩める胸もどき...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...おまへの唇には痍(きず)がある...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...突き刺された怪獸(シメエル)の痍口(きずぐち)から...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...誰か痍(はなみず)をすする者がある...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...お信さんにわかれた後の恋の傷痍を医してゐたのであつた...
田山花袋 「丘の上の家」
...鮮血のにじむ隙(すき)もない深い痍(きず)であった...
徳田秋声 「仮装人物」
...彼(かれ)は家(いへ)に歸(かへ)つた後(のち)瘡痍(きず)を重(おも)く見(み)せ掛(か)けようとするのには醫者(いしや)の診斷(しんだん)が寸毫(すんがう)も彼(かれ)に味方(みかた)して居(ゐ)なかつたからである...
長塚節 「土」
...手先(てさき)の火傷(やけど)は横頬(よこほゝ)のやうな疼痛(いたみ)も瘡痍(きず)もなかつたが醫者(いしや)は其處(そこ)にもざつと繃帶(ほうたい)をした...
長塚節 「土」
...寧(むし)ろ自分(じぶん)の瘡痍(きず)の經過(けいくわ)でも聞(き)くやうに卯平(うへい)の枕(まくら)へ口(くち)をつけていつた...
長塚節 「土」
...母の死が私に与えた創痍(そうい)も殆んどもう癒(いや)されたように思い慣れていたこんな時分になって...
堀辰雄 「三つの挿話」
...「早稲田文学」で、中務保二氏の、創痍、和田伝氏の、決壊、「行動」で、平田小六氏の、雨がへし、「改造」で、坪田譲二氏の、お化けの世界、「中央公論」で、丹羽文雄氏の、岐路など、坪田氏をのぞいて、ことごとくはぢめて出遇つた作家のものでたんねんには読みましたが、特に悪作だといふわけではなく、それぞれむしろ小説らしい小説とは見えるのですが、少くも胸にひゞいて来るところがなく読むためには相当の努力が必要であるだけだつた...
牧野信一 「浪曼的月評」
...同志のうちで其場に残つたのは深痍(ふかで)を負つた柳田一人であつた...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...痛いとも思はぬ痍も...
森鴎外 「半日」
...一虎は勝てりといえども満身痍(きず)だらけになります...
吉川英治 「三国志」
...王平軍もまた創痍(そうい)満身の敗れ方だった...
吉川英治 「三国志」
...その創痍(そうい)が癒(い)えきれないであるのだ――とは強いて歪曲(わいきょく)していわないのであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...肱(ひじ)の槍痍(やりきず)を巻いていた野中三五郎という若い近習(きんじゅ)が...
吉川英治 「新書太閤記」
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