...しかし人生の競技場に踏み止まりたいと思ふものは創痍を恐れずに闘はなければならぬ...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...左の眉の上に生々しい痍(きず)があつて一筋の血が頬から耳の下に傳つて...
石川啄木 「二筋の血」
...身体(みうち)の痍(きず)を舐(ねぶ)りつつ...
巌谷小波 「こがね丸」
...その痍(きず)とみに癒しとぞ...
巌谷小波 「こがね丸」
...今御身が痍を見るに...
巌谷小波 「こがね丸」
...痍(きず)に悩める胸もどき...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...おまへの唇には痍(きず)がある...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...誰か痍(はなみず)をすする者がある...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...松方内閣もこのために痍を負い...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...バチラーさんにしても、永田方正さんにしても、開拓者としての功績はまことに偉大なものがあるのでありますが、進んだ今のアイヌ語学の目から見れば、もうその人たちの著書は、欠陥だらけで、満身創痍、辛うじて余喘を保っているにすぎない程度のものなのであります...
知里真志保 「アイヌ語学」
...彼(かれ)は只管(ひたすら)肘(ひぢ)の瘡痍(きず)の實際(じつさい)よりも幾倍(いくばい)遙(はるか)に重(おも)く他人(ひと)には見(み)せたい一種(しゆ)の解(わか)らぬ心持(こゝろもち)を有(も)つて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...まあだ壯(さかり)だからそんでも何處(どこ)へか拵(こしら)えたかえ」輕微(けいび)な瘡痍(きず)を餘(あま)りに大袈裟(おほげさ)に包(つゝ)んだ勘次(かんじ)の容子(ようす)を心(こゝろ)から冷笑(れいせう)することを禁(きん)じなかつた醫者(いしや)はかう揶揄(からか)ひながら口髭(くちひげ)を捻(ひね)つた...
長塚節 「土」
...寧(むし)ろ自分(じぶん)の瘡痍(きず)の經過(けいくわ)でも聞(き)くやうに卯平(うへい)の枕(まくら)へ口(くち)をつけていつた...
長塚節 「土」
...しかも二三カ所手痍(てきず)を負うた奴を着た壮年の男が...
二葉亭四迷 「浮雲」
...戦争によって辺境地方に生じた傷痍を癒やすに大いに役立つことであろう...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...」父はその矢痍(やきず)をしらべた...
室生犀星 「姫たちばな」
...体中に掻(か)きむしったような痍(きず)の絶えない男の子であるから...
森鴎外 「カズイスチカ」
...肩のあたりに一矢の矢痍(やきず)をうけていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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