...その信者をして病苦を脱せしむることあたわず...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...病床に腹這(はらんばい)になって病苦と闘いながらポツポツ訳し...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...すなわち孤独と病苦のままに放置して...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...私はわが體驗から確信し得られた、現在の次に來世のある事、現世の三十年五十年は永遠の來世に比べると短い修業の時、試驗の時である事、それで次の世に、病も癒えて永遠に樂しく生きられる事を目標として、病苦に耐へ、神樣の喜び給ふ事をせられ度いこと、など慰問の言葉を述べた、やがて話が終つて椅子に腰をおろさうとすると司會の先生が、『患者の總代が今御禮の御挨拶をするさうですから受けてやつて下さい』との御言葉故、私は又壇の前に進み小腰をかゞめて上と下とで其總代と向き逢つた...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...病苦を訴へた事も一度もございませんでした...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...病苦の生存を長引かせることを僕は好まない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼を破壊してる病苦と彼の情婦の残酷な遊戯とを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...氏が病苦の増し気短くなると共に一層この衝突を起しやすい...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...ただ末期(まつご)をらくにするために思いきり注射した麻酔剤がきいてるあいだの昏昏(こんこん)とした眠りから醒(さ)めたときに母は奇蹟的に元気を恢復(かいふく)した、病苦もなく、浮腫もへり、脈も呼吸もよくなり……蘇(よみがえ)ったように、しかし結局は寿命はないのだけれど...
中勘助 「母の死」
...傲(おご)りによりて失いたりき」病苦が私に...
中島敦 「光と風と夢」
...平次親分」岡谷半嶺は病苦を忍んで語りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...人間の病苦や六道三世の因果の理を示したものであろうか...
久生十蘭 「玉取物語」
...共にその毒に伝染して広く世界の人と病苦死生を与(とも)にすべしとて...
福沢諭吉 「日本男子論」
...人情世故(せいこ)にあくまで通じていた忠利は病苦の中にも...
森鴎外 「阿部一族」
...病苦の上に更に彼らの薬の苦(にが)さを加えようとはしなかった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あしたはここを立とう」あきらかに尊氏は病苦をこらえているふうだ...
吉川英治 「私本太平記」
...日ごろの病苦などはかえって膝の下へ組みしいてしまったような法然なのである...
吉川英治 「親鸞」
...以後四月下旬まで約五十日病苦のうちに執筆...
吉川英治 「年譜」
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