...長年の病苦に悩み抜いた揚句...
芥川竜之介 「歯車」
...その他身の病苦と人の無情...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...世のあらゆる悲哀を甞めて、息の喘ぎ、病苦、あふるる涙、その聖なる神性によりて後光を放ち、蒼白のおもて永遠に輝く...
大杉栄 「獄中消息」
...いたわり可愛がってくれるのがその頃の私の病苦の何よりの薬療であった...
鷹野つぎ 「窓」
...地獄の文学というのは畢竟(ひっきょう)、極楽の世界を望見して到底あの世界に達することは出来ない、唯(ただ)病苦、貧困、悪魔の跳梁(ちょうりょう)に任していなければならぬ苦しい世界があるのみと感ずるところに出発する...
高浜虚子 「俳句への道」
...病苦を訴へた事も一度もございませんでした...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...病苦甚し...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...彼にはこの地球全体が得態(えたい)の知れない病苦に満ち満ちた夢魔のようにおもえる...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...ましてや病苦に傷ついてゐるであらう辻を考へると...
北條民雄 「道化芝居」
...明はただ自分に残された力だけで病苦と闘っていた...
堀辰雄 「菜穂子」
...そこで貧困や病苦と戰ひながら...
堀辰雄 「ハイネが何處かで」
...病苦などは殆(ほとん)ど忘れてしまふのである...
正岡子規 「病牀六尺」
...病苦が朝よりも加わったこともわかっていて源氏は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...病苦の中でも夫人は心配して言うのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そこには生きることの不安や、怖(おそ)れや、貧困、病苦、悲痛や絶望がせめぎあってい、悔恨や憎悪や復讐(ふくしゅう)心などのために、心の灼(や)け爛(ただ)れるおもいをしている人たちがいる...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...病苦を怺(こら)えて使いに来た御身の誠意を買って...
吉川英治 「新書太閤記」
...――自分の病苦を見て...
吉川英治 「宮本武蔵」
...この秋山氏が機嫌よく病苦を忘れて上方唄など口ずさんでいる...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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