...病的に感覚の興奮した葉子は...
有島武郎 「或る女」
...その方面では病的に強いけれども...
谷崎潤一郎 「鍵」
...己の神経はモウ酒の力でも麻痺されないほど病的に興奮して来るのではあるまいか...
谷崎潤一郎 「恐怖」
...そういう時には病的に過敏になった私の胃はすぐになんらかの形式で不平を申し出した...
寺田寅彦 「芝刈り」
...自意識は病的に(プロレタリアなどなら吹き出す程滑稽に)過剰とならざるを得ないのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...なんだと?」ヴェリチャーニノフは病的にぶるぶるっと身を顫わして...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...妻を病的にしないか...
外村繁 「澪標」
...精神が極度に――或る病的に冴え渡った深夜などに...
豊島与志雄 「奇怪な話」
...私はそのなかを夢遊病的に彷徨し...
豊島与志雄 「情意の干満」
...為されたその時だけホンの瞬間熱病的に嬉しいかも知れなくても...
中原中也 「撫でられた象」
...人によつては此病的にさへ見えるなよやかさを...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...働いている七八人の店員達は病的に蒼(あお)い顔をして忙がしく立ち働いていた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...病的にむっちりと白い腕も袖がまくれて露(あら)わに布団の上に投げていた...
北條民雄 「いのちの初夜」
...――だんだん、病的になる、その中ホントの病気になる――そう言う地獄だ、お前の行きつく所は...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...病的にまで悲しんで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...とかく美が健全でなく病的にまた変態に流れる所以(ゆえん)である...
柳宗悦 「民藝四十年」
...病的に干乾(ひから)び付いております...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...それも病的にではあるが――...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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