...渠らは空想にばかり俘(とら)われて夢遊病的に行動する駄々ッ子のようなものだから...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...あいつは病的におそれた...
梅崎春生 「赤い駱駝」
...肉体的の困憊(こんぱい)のため病的になった想像力が彼の周囲にあらわした怪奇な幻像――それを彼は現実であると信じたのだ――によって孤独感をまぬがれた...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...安重根は病的に愕く...
林不忘 「安重根」
...之は元々骨董収集癖が病的に嵩じた結果らしいので...
戸坂潤 「社会時評」
...時には病的になって眠れなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...少し病的に興奮した眼を走らせて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...病的にさへ見える弱々しさと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ヴィクトリーヌ・タイユフェール嬢は病的に色白で若い女性に多い慢性的貧血症に悩まされているように見え...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...かかる恐怖をもつて彼以外の誰が我々に迫つたか? それはやはり彼と同じやうに「何か見えないもの」によつて病的に苦しめられた一瑞典人アウグスト・ストリンドべリイあるのみである...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...哲学に関する第二の誤解はこれとあたかも反対した側面からすなわちそれがあまりに人生の実際と接近して感傷的もしくは病的になって...
三木清 「語られざる哲学」
...死の恐怖はつねに病的に...
三木清 「人生論ノート」
...突発的な病的になりやすい十七八の達に対するので...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...この病的にあらわされている主我とその心理傾向は...
宮本百合子 「現代の主題」
...病的に西洋化した人柄を描いて...
三好十郎 「恐怖の季節」
...このロマンチツクな習癖は年と共に段々病的になつて...
村山槐多 「悪魔の舌」
...病的にちかい目と手つきとから静まって...
室生犀星 「お小姓児太郎」
...どこが病的になっているのかそれぞれ二人には分らなかった...
横光利一 「旅愁」
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