...むき出しにした腕には青筋が病的に思われるほど高く飛び出てはいずっていた...
有島武郎 「或る女」
...それと云うのが、何しろ実に意外な事が後から後からと起って来て、欺された上にも欺されていたことが分るに随(したが)い、私の神経は異常に鋭く、病的になり、いろいろな場合を想像したり臆測(おくそく)したりし始めるので、そうなって来るとナオミと云うものが、とても私の智慧(ちえ)では及ばない神変不可思議の通力(つうりき)を備え、又いつの間に何をしているか、ちっとも安心はならないように思われて来るのです...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...そしてそれが習慣になると、病的になって、本能の充分の働きをすることができなくなる...
田山花袋 「少女病」
...少しの異臭が病的に異常に強烈な反応を促進したかもしれない...
寺田寅彦 「試験管」
...時には病的になって眠れなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...勝つた時に熱病的に嬉しいだけで...
中原中也 「撫でられた象」
...病的にいらいらしているうち五日ばかりたって...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...働いている七八人の店員達は病的に蒼い顔をして...
林芙美子 「放浪記(初出)」
......
堀辰雄 「X氏の手帳」
...死の恐怖はつねに病的に...
三木清 「人生論ノート」
...死の恐怖はつねに病的に...
三木清 「人生論ノート」
...女と見れば機會をうかゞつて一度はどうにかし度いと云ふ好みの病的に強い野呂は...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...それは病的にまで昂進して恐怖症の状態にまでなることがある...
三好十郎 「抵抗のよりどころ」
...――だんだん、病的になる、その中ホントの病気になる――そう言う地獄だ、お前の行きつく所は...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...このロマンチツクな習癖は年と共に段々病的になつて...
村山槐多 「悪魔の舌」
...」と突然に病人が言い出して病的に涙ぐんだ...
室生犀星 「音楽時計」
...が直ぐどうなるかと思うくらい病的にわなわなと震え出した...
室生犀星 「香爐を盗む」
...病的に過敏になっている草川巡査の神経の末梢がピッタリと捕えたのであろう...
夢野久作 「巡査辞職」
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