...眼は熱を病める如くかゞやけり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
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大手拓次 「蛇の花嫁」
...午過になつて案の定主人が頭が病めるといひ出し...
薄田泣菫 「茶話」
...寛は亡妻の病めるや既に不治にして必死たるべきを决定するを以て...
関寛 「関牧塲創業記事」
...――梅干の味が病める身心にうれしいのである...
種田山頭火 「其中日記」
...病める妻には、それといわねど、浪子が病みて地を転(か)えしより、武男は帰京するごとに母の機嫌(きげん)の次第に悪(あ)しく、伝染の恐れあればなるべく逗子には遠ざかれとまで戒められ、さまざまの壁訴訟の果ては昂(こう)じて実家(さと)の悪口(わるくち)となり、いささかなだめんとすれば妻をかばいて親に抗するたわけ者とののしらるることも、すでに一再に止(とど)まらざりけるなり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...執拗に執念深く彼の病める頭の扉を叩きつづけるのだった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...其処から今一度病める叔父とたえ子と彼自身と三人鼎坐している情景(シイン)をふり返ってみた...
豊島与志雄 「恩人」
...アンドレ・シェニエの病める若者という悲歌の末句だ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...病める蝶ありて傷(きずつ)きし翼によろめき...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...詩はただ病める魂の所有者と孤独者との寂しい慰めである...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...一切無我!○この街にいろいろな人が集ってくる飢えによる堕落の人々萎縮(いしゅく)した顔 病める肉体の渦下層階級のはきだめ天皇陛下は狂っておいでになるそうだ患っているもののみの東京!一層怖(おそ)ろしい風が吹くああ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...これやこの毛利孟夫山間の獄にペンを撫し戦いに病める君が身を養わんと函数を釣り積分にゆあみしひねもす土地と資本の数字と符号の時空における不統一の空隙を逍遥する君のマルキシズムはかゝる隙間を埋むるに足れりどなお詩もて愛すべき膠着剤とせよ...
槇村浩 「毛利孟夫に」
...」「病めるへび...
室生犀星 「はるあはれ」
...父の病めるが故である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...(b)ローマはその最も病める時に最も健康であった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...健かなるもの病めるもの...
柳宗悦 「工藝の道」
...まことにしんの病めることです」「お顔だちは源三郎(光央)さまとよく似ておられるようですな」「性質が似なくて幸いです」と重太夫は酒をすすりながら云った...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
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