...小さい病める同胞の一人に過ぎない筈であつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...露骨な笑ひを止めて呉れ』不幸な人は呟けど夜もすがら幸福は眠れる者を去らず病める者の耳を離れず氣がつけばます/\露骨に話し合ひ...
千家元麿 「自分は見た」
...――梅干の味が病める身心にうれしいのである...
種田山頭火 「其中日記」
...病める老人(としより)の用しげく婢(おんな)を呼ばるるゆえ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...その幼き弟妹(はらから)二人は病める姉をなつかしがりて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...病める『憑(つ)かれた女』を連れて来た...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...病める乞食が一夜を明しただろう...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...詩はただ病める魂の所有者と孤独者との寂しい慰めである...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...肺病める夫婦、そんな風な想像から彼女は好んで悩しい甘美な感情を味った...
原民喜 「淡雪」
...病める身などにて聞(きき)たらば...
樋口一葉 「あきあはせ」
...夢幻境靄かかる人気のない道を辿ると病める天使のみ棲まうところありそこでは夜という名の幻影が黒の玉座に鎮座まします...
エドガー・A・ポオ Edger A. Poe 「ポオ異界詩集」
...病める心のことであって...
三木清 「語られざる哲学」
...その病める間も大抵学業を廃せず往々公事をも執行してゐた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...父の病めるが故である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...病める眼を見ればその眼もまた病む...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...(b)病める肉体の中にかくされた心の悩みは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...亡き友のうへ病める人の身など...
横瀬夜雨 「花守」
...爾の管玉は病める蚕(かいこ)のように曇っている...
横光利一 「日輪」
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