...彼の来るや疾風の如く...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...立ち上るや否や、茨(おどろ)の髪をふり乱して、帯もしどけなく、片手に懐中(ふところ)の児を抱き、片手を高くさし上げ、裸足(はだし)になつて駆け出した、駆け出したと見るや否や、疾風の勢を以て、かの声無く静かに練つて来る葬列に近づいた...
石川啄木 「葬列」
...その縦縞(たてじま)が消えるが疾(はや)いか...
泉鏡花 「縁結び」
...疾(はや)くその舷(ふなばた)に昇る梯子(はしご)かとばかり...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...やがて砂埃をあげて疾走して来た乗合いの客となって私たちは...
橘外男 「逗子物語」
...彼は疾風のやうに訪ねてきて...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...言問橋の方から疾駆して来た一台の自動車...
久生十蘭 「魔都」
...通りを疾走していた...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...おれは疾うから、犬といふ奴は人間よりぐつと賢いものだと思つてゐた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...儂はこの通りの※疾者でな...
松本泰 「日蔭の街」
...固疾(こしつ)の心臓病が起って危篤に陥った...
松本泰 「緑衣の女」
...もう疾うに目覺めてゐるといはぬばかりに...
水野仙子 「白い雌鷄の行方」
...花房も疾(とっ)くに気が付いて...
森鴎外 「カズイスチカ」
...わたしはユリアさんを疾(と)うから好いてゐる...
マクシム・ゴルキイ Maksim Gorkii 森林太郎訳 「センツアマニ」
...もう疾っくに無くなっているものを見てお楽(たのしみ)なさい...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...西方諸国の繍におけるその技の発達は疾くから東方に負うところがあったとみられる...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...それからの一年はそれまでのどの年より疾(はや)く経って...
山本周五郎 「日本婦道記」
...疾風雲(はやてぐも)のように見る見るうちにそれが全天に拡がって来たかと思うと...
吉川英治 「三国志」
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