...逸疾(いちはや)く出発して行くのもいた...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...命だけは取留めていたという」「その石見守は疾(と)くに死去なされました筈」「おう...
江見水蔭 「怪異黒姫おろし」
...帰るにも帰れなくなってしまいました』『だって御自分に疾(や)ましい事がなければ構わないじゃありませんか...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「機密の魅惑」
...元より民の疾苦(しつく)を顧みるの入道ならねば...
高山樗牛 「瀧口入道」
...疾風のようなこの発明家が先刻扉(ドア)が開かれるとほとんど同時に...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「見えざる人」
...何か御使いでも云いつけらるると飛鳥のように飛んで出て疾風のごとく帰って来る...
寺田寅彦 「雪ちゃん」
...疾(と)うの昔に自殺していた筈であるとさえ言われた...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...疾風のごとく道尊の庵室へ飛んで行きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...疾風(しつぷう)のやうに飛込んで來たのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...四の可愛らしい少女が疾風のように飛んで来ました...
野村胡堂 「身代りの花嫁」
...それでなくても、顔の固疾や、脆弱(ぜいじゃく)な体質が出足を鈍らすのであったが、着つけない服をつけ、久し振りに靴を穿(は)いて出掛ける時には、まるで大旅行に出て行くように悲壮な気持がしたものであった...
原民喜 「冬日記」
...民の疾苦を説く政治家の態度を学ぶフイランスロプは盲目的な獣類の愛...
宮原晃一郎 「愛人と厭人」
...大切なものは皆疾(と)つくに我が物ではなくなつてゐるが...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...疾(と)うから己の胸にはそれが分かつてゐた...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...その高熱は腸の疾患からきたもので...
山本周五郎 「めおと蝶」
...石の如く疾走しているものに外ならないのである...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...血眼(ちまなこ)で疾駆しているひとりの貴公子がある...
吉川英治 「江戸三国志」
...頭の上から疾風(はやて)のような手裏剣(しゅりけん)が飛んできて...
吉川英治 「神州天馬侠」
便利!手書き漢字入力検索