...彼が嘗つて、北越七州の男児を提げ、短兵疾駆、疾風の威をなして洛陽に入るや、革命軍の行動は真に脱兎の如く神速なりき...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...ほんたうなら彼は疾くに此處に來て居るべき筈だ...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...疾(と)っくに内定してある...
ダウィット Jacob Julius David 森鴎外訳 「世界漫遊」
...不治の疾(やまい)をいだいて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...目に見えてない盲目的な颶風(ぐふう)が疾駆し廻っていた...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...夜(よ)の針は疾(と)く回るらしい...
夏目漱石 「虞美人草」
...狼見よ來る遠くよりして疾行するものは銀の狼その毛には電光を植ゑいちねん牙を研ぎ遠くよりしも疾行す...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...疾風よりも烈しくこの女を揺さぶる...
原民喜 「火の唇」
...それは吹きこむ疾風の仕業だった...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「アッシャー家の崩壊」
...タキシーは砂煙りを挙げて疾走してゐた...
牧野信一 「変装綺譚」
...(この場合において基は鬼事(おにごと)のおかのごとし)故に走者はなるべく球の自己に遠かる時を見て疾走(しっそう)して線を通過すべし...
正岡子規 「ベースボール」
...勝代は疾(とつ)くに炬燵を離れて...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...今疾(と)く行かむ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...伯の汝(なんぢ)を見まほしとのたまふに疾(と)く来よ...
森鴎外 「舞姫」
...彼は疾うからさうなりはしまひかと危ぶんでゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...いざ疾(と)く」と...
吉川英治 「三国志」
...疾(と)くお察しのこととはぞんずるが……...
吉川英治 「新書太閤記」
...これらのページを紐解いてきた読者なら疑いなく疾うの昔に予期していたであろう真相に...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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