...彼女の心にはあの事件の疵痕が残っている...
...胸に疵痕を持った男性が、自分の体験を語った...
...あの事故は、この町に深い疵痕を残した...
...彼の過去の行いが、いつまでも疵痕として残るだろう...
...彼は自分の身体中に、戦争の疵痕を抱えている...
...とろとろと燃える燈の光は仙妃の左か右かの眉尻(まなじり)にある小さな疵痕を見せた...
田中貢太郎 「賈后と小吏」
...青年は幸福に浸りながらその疵痕に眼をやった...
田中貢太郎 「賈后と小吏」
...これという特徴(しるし)があったか」その時青年は仙妃の眉尻に小さな疵痕のあったことを思いだした...
田中貢太郎 「賈后と小吏」
...「右か左かの眉尻に小さな疵痕がありました」それを聞くと問官はふふふと笑った...
田中貢太郎 「賈后と小吏」
...桑を切るとて大きな桑切庖丁を左の掌(てのひら)の拇指(おやゆび)の根にざっくり切り込んだ其疵痕(きずあと)は...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...小鼻(こばな)に疵痕(きずあと)の白く光った三十未満の男...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...―――――「おれはおれの躯を愛しそこねた……何もかも最後に近づいた……悪口の矢をたてられ……誹謗の疵痕(きずあと)……悪感情の悪戯(いたずら)……侮辱と意地悪……譏誚(きしょう)……嘲笑と挑戦……嫉妬?……嫉妬!……復讐……おれはおれの躯を愛しそこなった……」彼が自分へ向って呟く小言は...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...コレヲ以テ欧羅巴(ヨーロッパ)ノ刀剣ヲ両断スルトモ疵痕(しこん)ヲ止(とど)ムルナシ...
中里介山 「大菩薩峠」
...その左の耳の瘤(こぶ)を取った疵痕(きずあと)が何より証拠...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ただ憶いだしたと云うだけでも腹立たしくなるような疵痕(きずあと)になった...
本庄陸男 「石狩川」
...散々の疵痕である)間――五人静かに...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...私のこの胸の疵痕(きずあと)を...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...この背中から胸へ抜けとおっております恐ろしい疵痕を...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...疵痕(きずあと)さえ付ける事が出来ません...
夢野久作 「白髪小僧」
...縦横にタタキ付けられている大小長短色々の疵痕(きずあと)を……殴打...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...首の周囲(まわり)の疵痕(きずあと)は細帯と一致しないし...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...その絞めた疵痕が二重にも三重にもなっている位だから...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...耳の後ろから眼尻にかけて貫通した流弾の疵痕(きずあと)が残っている...
横光利一 「夜の靴」
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