...つまらぬ噂をされるとお前の体に疵(きず)がつく...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...とろとろと燃える燈の光は仙妃の左か右かの眉尻(まなじり)にある小さな疵痕を見せた...
田中貢太郎 「賈后と小吏」
...されども君はわが負へる重疵いやし...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...アイナイアース槍のべて*レーオークリトス疵つけぬ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
... 350更に九年の長き經し芳香疵に施しぬ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...疵口には虻(あぶ)が止まって動かなかった...
直木三十五 「南国太平記」
...御疵(おけが)なさいました」と...
直木三十五 「南国太平記」
...自分の頭の疵を掌でたたいて...
直木三十五 「南国太平記」
...日本にては杖は下駄同様に取上げらるるが故銀細工象牙(ぞうげ)細工なぞしたるものは忽(たちまち)疵物(きずもの)になさるる虞(おそれ)あり...
永井荷風 「洋服論」
...そして疵(きず)あとは綺麗(きれい)にぬぐったように癒(なお)った彼女は...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...仕上げにも瑕疵(かし)はない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...この二物を塗って疵(きず)癒え...
南方熊楠 「十二支考」
...疵口へ細菌の飛込む事があったらそれこそ実施者の不注意だ...
村井弦斎 「食道楽」
...疵口を縫う糸も普通の外科用の消毒糸で沢山だ...
村井弦斎 「食道楽」
...奥さんと話している間、お高は、袂で片頬を隠すようにしていたが、大きな疵あとが、眼の下から頸部へかけて、黒ずんだ溝をつくり、そこだけ皮膚がひきつっているため、ちょうど顔半分が竦んでいるようにみえたという...
矢田津世子 「凍雲」
...轢死体(れきしたい)としては珍らしく無疵(むきず)な肉体が...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...耳の後ろから眼尻にかけて貫通した流弾の疵痕(きずあと)が残っている...
横光利一 「夜の靴」
...一つは腕に深い切疵を受けたけれど...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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