...疵(きず)も附かずに我々の手に渡つて来るのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...六七合目以上(ろくしちごうめいじよう)は無疵(むきづ)の圓錐形(えんすいけい)をしてゐるので富士(ふじ)を思(おも)ひ出(だ)すくらゐであるが...
今村明恒 「火山の話」
...ふちが疵だらけです...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「歌う白骨」
...あれやったら少くともレンズに疵(きず)が附いたやろう云うてはったけど」「フィルムもあかんようになったのんで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...疵やひびが多いのは当然であるから...
寺田寅彦 「学位について」
...其疵の口より拔ける青銅の槍もて屍(かばね)覆へし...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...この疵を受けた上は...
直木三十五 「南国太平記」
...無疵((むきず))な魂(もの)なぞ何処にあらう?季節(とき)が流れる...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...振はなすとて恐ろしい力を出せば定めし身も痛からう生疵(なまきず)も処々(ところどころ)に有るを...
樋口一葉 「うつせみ」
...疵(きず)あらせじとの心配(しんぱい)大方(おほかた)にはあらざりけり...
一葉女史 「たま※[#「ころもへん+攀」、U+897B]」
...男一疋なにほどの疵かはつかん...
樋口一葉 「花ごもり」
...疵(きず)持つ身と云(い)う訳(わ)けではないが...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...何れも疵(きず)物の瀬戸類が埃に塗れて白くなつてゐた...
三島霜川 「昔の女」
...俺も……この疵がうずくたんびに十年前までは...
三好十郎 「斬られの仙太」
...顏も顴骨(くわんこつ)が稍出張つてゐるのが疵であるが...
森鴎外 「ぢいさんばあさん」
...顔も觀骨(かんこつ)が稍(やや)出張っているのが疵(きず)であるが...
森鴎外 「じいさんばあさん」
...その目の疵(きず)を洗った清水...
柳田國男 「日本の伝説」
...心臓をグッと一突き殺(や)ったらしいんだ」「仲々手練(てだれ)な事をやったもんですなあ」「ピストルを使わぬところを見ると犯人も何か後暗い疵(きず)を持っていたかも知れんテヤ」「さあ...
夢野久作 「二重心臓」
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