...この間うちの惣吉の額(ひたい)に疵(きず)をつけたのもお前さんずら...
芥川龍之介 「百合」
...また誰にも疵がつかずにすむ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「和製椿姫」
...けっして旧の無疵の皿とならぬごとく...
丘浅次郎 「境界なき差別」
...確かに彼れの大疵なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...疵は頸にだけでなく...
直木三十五 「南国太平記」
...あの、お疵は、いかがしてお受けになりましたか、誰から――」「左様のこと、聞かんでよい」侍は、ずかずかと、死体の方へ歩いて行った...
直木三十五 「南国太平記」
...疵物じゃとかと申すのが慣わし故...
直木三十五 「南国太平記」
...立派な山を疵物(きずもの)にして...
中里介山 「大菩薩峠」
...腰骨へ斜(はす)に残った古疵を見付けられて...
野村胡堂 「禁断の死針」
...疵(きず)の経過のことまでが...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...全身何処にも疵はなく...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...むくつけい暴男(あらおとこ)で……戦争(いくさ)を経つろう疵(て)を負うて……」「聞くも忌まわしい...
山田美妙 「武蔵野」
...この向う疵(きず)は承知しても他(はた)の奴等(やつら)が承知出来ねえ...
夢野久作 「難船小僧」
...疵痕(きずあと)さえ付ける事が出来ません...
夢野久作 「白髪小僧」
...仁王様の腕の古疵を疼き痛ませ...
夢野久作 「塵」
...モウ一度深く胸の疵口(きずぐち)に刺し込んだまま出て行かれたりしているところは...
夢野久作 「一足お先に」
...あまり無疵(むきず)は風情(ふぜい)がない...
吉川英治 「新書太閤記」
...また、参考源平盛衰記には、義仲の首には、左右の眉の上に疵(きず)があって、その疵かくしに、米の粉が塗ってあったと、描写してある...
吉川英治 「随筆 新平家」
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