...その瞬間に勢いよく玄関の格子戸(こうしど)ががらっとあいて「おゝ寒い」という貞世の声が疳高(かんだか)く聞こえた...
有島武郎 「或る女」
...疳高(かんだか)いが...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
......
種田山頭火 「行乞記」
...かうしてやつてごらんなさいと私の疳の虫が腹の中でつぶやく...
種田山頭火 「其中日記」
...熊本では特殊の理由から疳癪玉を破裂させたが...
種田山頭火 「其中日記」
...「やつぱり徳さんが多いね」小谷は疳高い声で云つた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...」庸三も疳(かん)にさわったが...
徳田秋声 「仮装人物」
...他のよりもずっと疳(かん)高いいつも同じような三...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「実は私(わたくし)少し御願があって上がったの」疳(かん)の鋭どい代助は...
夏目漱石 「それから」
...高柳君はのそりと疳違(かんちがい)をした客のように天幕のうちに這入(はい)った...
夏目漱石 「野分」
...殺すわけなんかあるものか」少し疳(かん)が亢(たか)ぶっている様子でキリキリと美しい眉を釣上げながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その上近頃は疳(かん)が亢(たか)ぶつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...妙に疳(かん)にさはるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あんまり疳癪を発(おこ)さないがいいよ」「だッて...
広津柳浪 「今戸心中」
...疳癖(かんぺき)らしかった爺の一人なんぞは...
堀辰雄 「三つの挿話」
...それでゐて疳高(かんだか)い聲がする...
三島霜川 「平民の娘」
...ちょうど疳持(かんもち)の小児が...
南方熊楠 「十二支考」
...ときには疳癪にさわるらしいおかみの尖がつた聲で...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
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