...疳癖(かんぺき)が募り出して自分ながら始末をしあぐねているような倉地とがまともにぶつかり合ったら...
有島武郎 「或る女」
...そこからやりどころのない悲哀と疳癪(かんしゃく)とがこんこんとわいて出た...
有島武郎 「或る女」
...また昼夜を問わず、疳(かん)高い、哀れっぽい調子の笛を聞くことがある...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...時々笛が疳高く鳴る...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...最後には私も疳癪(かんしゃく)を起して...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...甥は疳性(かんしょう)の目を伏せているばかりで...
徳田秋声 「黴」
...芸者買の面白さは人を有頂天ならしめ下疳(げかん)の痛さは丈夫を泣かしむ...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...彼人(あのひと)の顔を見るたんびに阿母(おっかさん)は疳癪(かんしゃく)が起ってね...
夏目漱石 「虞美人草」
...病気でもしているんじゃないか」「病気だって?」と藤尾の声は疳走(かんばし)るほどに高かった...
夏目漱石 「虞美人草」
...どちらかと申すと疳(かん)のお強い方で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何うしても疳癪の虫は収まりさうもないのである...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...堪らない/\! と一番鋭く疳癪の舌を鳴してゐた無頼漢であつた...
牧野信一 「歌へる日まで」
...「疳の虫の為(せゐ)だよ...
牧野信一 「疳の虫」
...おれの疳性のためにお前が困つてるだらうと案じたらこそ出し拔けにあんなお札なぞ寄越したんだよ...
正宗白鳥 「母と子」
...頭に籠を載せた魚賣の女の疳走(かんばし)ツた呼聲やらがたくり車の喇叭(らつぱ)の音やら...
三島霜川 「解剖室」
...」疳癪筋を額に立てゝ...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...疳のたかぶりては父母にさへ屡々拳(こぶし)を振り上げて立ちむかひし事を...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...彼は直ぐ疳(かん)に障(さは)つた...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
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