...疳癖(かんぺき)が募り出して自分ながら始末をしあぐねているような倉地とがまともにぶつかり合ったら...
有島武郎 「或る女」
...また昼夜を問わず、疳(かん)高い、哀れっぽい調子の笛を聞くことがある...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...廂髪(ひさしがみ)2・9(夕)九州医科大学の大西克知博士が鉄瓶のやうな疳癪持(かんしやくもち)である事はいつだつたか茶話で書いた通りだ...
薄田泣菫 「茶話」
...だしぬけに東洋中に響き渡るやうな疳高(かんだか)な調子で言つた...
薄田泣菫 「茶話」
...百舌鳥の疳高い声...
種田山頭火 「其中日記」
...一日取ちらかった其処(そこ)らを疳性(かんしょう)らしく取片着けたりしていたが...
徳田秋声 「あらくれ」
...疳(かん)の筋(すじ)が裏を通って額へ突き抜けているらしい上部(うわべ)を...
夏目漱石 「虞美人草」
...「昼間もそんなに忙しいんですか」「昼間って……」「ホホホホまだ分らないんですか」と今度はまた庭まで響くほどに疳高(かんだか)く笑う...
夏目漱石 「虞美人草」
...必死と馬の疳(かん)を撫めようとする...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...コチコチの兄さんが疳癖玉(かんしゃくだま)を破裂させて梯子段(はしごだん)からどなり上って来た...
長谷川時雨 「テンコツさん一家」
...釦のとれたあとの糸屑を疳性(かんしやう)に引つぱりながら...
林芙美子 「浮雲」
...早く出てゆけ疾(と)く去(い)ねと思ふ思ひは口にこそ出さねもち前の疳癪したに堪えがたく...
樋口一葉 「大つごもり」
...身は疳癪に筋骨つまつてか人よりは一寸法師一寸法師と誹(そし)らるゝも口惜しきに...
樋口一葉 「わかれ道」
...疳の強い動物で頭の近くへも寄せつけない...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...彼は唇を噛みしめて、疳癪を起した...
牧野信一 「池のまはり」
...「疳の虫の為(せゐ)だよ...
牧野信一 「疳の虫」
...疳(かん)にふるえた小脇の鍔鳴(つばな)り...
吉川英治 「剣難女難」
...カッとした疳筋(かんすじ)の血が下がってみれば...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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