...葉子の疳癪(かんしゃく)は嵩(こう)じるばかりだった...
有島武郎 「或る女」
...日本人は決して疳癪を起さないから...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...オルガ姫の疳高(かんだか)い悲鳴だった...
海野十三 「地球要塞」
...主人の名を呼ぶ署長の声はだんだん疳高(かんだか)くなり...
海野十三 「蠅男」
...しきりと疳高(かんだか)い東京弁で訳もわからないことを呶鳴りちらしていた筈である...
海野十三 「蠅男」
...萩がちつたり虫がないたり峠くだればゆふべの牛が鳴いてゐる・夕立晴れるより山蟹のきてあそぶかな長屋あかるく灯して疳高いレコードの唄アンテナがあつて糸瓜がぶらさがつて鉄道工事長屋で九月十五日降りさうなが...
種田山頭火 「行乞記」
...そして疳(かん)の募ったような声を出して泣き叫んだ...
徳田秋声 「黴」
...ことによるとやり損なうなと疳(かん)づいたと見えて...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...疳(かん)の強そうな...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お前の言ふことは一々疳(かん)にさはるが」「相濟みません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「あの娘(こ)は疳(かん)のせいか寐出すと一日でも二日でも死んだもののように眠っていて――」母親は祝いにきてくれたのにと気の毒そうに呟(つぶや)いた...
長谷川時雨 「お墓のすげかえ」
...何だか可怪(をか)しな様子だね私の言ふ事が何か疳(かん)にでも障つたの...
樋口一葉 「わかれ道」
...あんまり疳癪を発(おこ)さないがいいよ」「だッて...
広津柳浪 「今戸心中」
...逐一計え立て徒(いたずら)に心配苦労して益なき事に疳癪を起すは...
福沢諭吉 「新女大学」
...女や子供の疳(かん)だかい叫びごえがおいおい間遠になっていた...
本庄陸男 「石狩川」
...癲疳持(てんかんもち)...
三島霜川 「解剖室」
...」と疳(かん)高い声で叫んだ...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...又ある者は一種の疳癪(かんしゃく)持ちと評したが...
夢野久作 「暗黒公使」
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