...疚(やま)しからぬ腹を揣摩(しま)せられて...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...やつぱり疚(や)ましいことはないが...
泉鏡花 「海城発電」
...獄舎(ろうや)に繋(つな)がれるなど云(い)うことは良心(りょうしん)にさえ疚(やま)しい所(ところ)が無(な)いならば少(すこ)しも恐怖(おそる)るに足(た)らぬこと...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...ほんとうに何の疚(やま)しいところもなく安心していたかと申しますと...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...私は省みて疚しくない暮らし方をしたいと念じてやまない...
種田山頭火 「其中日記」
...陪審官たちの顔は彼等がそういう詩句については少しも知らぬことに気がついていささか疚(やま)しいような色を表(あらわ)した)...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...笹村は疚(やま)しいような気がした...
徳田秋声 「黴」
...小民を疚(やま)しめたり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...要するに内に省みて疚(やまし)からざるにあり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...自分の心の中にある疚しいものを...
豊島与志雄 「反抗」
...お千代の方では公然夫(おっと)の許可を得て心に疚(やま)しいところがなくなったのみならず...
永井荷風 「ひかげの花」
...自分へ答へ能はなかつたのも内に疚ましきことがあつたからではなかつたらうか...
長塚節 「教師」
...良心に対して疚(や)ましい点は容易に見出(みい)だされなかった...
夏目漱石 「明暗」
...売ろうと估(こ)かそうと疚しいことなんぞ少しもない...
久生十蘭 「魔都」
...なんの疚(やま)しい関係もありませんわ...
火野葦平 「花と龍」
...しかし私たちには全く疚(やま)しい気持はなかった...
牧野富太郎 「植物記」
...「左翼文学が今日沈潜期にあることを思って喧嘩すぎての棒ちぎりといった疚しさを抱かせられたが」云々と...
宮本百合子 「落ちたままのネジ」
...そして疚(やま)しく苦しく思われることが混じっていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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