...疚(やま)しからぬ腹を揣摩(しま)せられて...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...顧みて自ら疚(やま)しい様なこともせぬ...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...少くも渠らが世間の道徳に背(そむ)いたには疚(やま)しくも恥かしくもない立派な哲学的根拠があるように思っていた...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...そういう疚(やま)しいことがある以上...
橘外男 「仁王門」
...村の人に見せることはこの上もない疚しいことであつた...
田中貢太郎 「海異志」
...自分にちょっとも疚(やま)しいとこないいえるのんか...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...第一に世を欺(あざむ)くという心に疚(やま)しい事がなく...
永井荷風 「監獄署の裏」
...己(おの)れの疚(やま)しいことさえなければ...
中里介山 「大菩薩峠」
...相当な疚(やま)しい思い出がないとは言えないから...
中里介山 「大菩薩峠」
...疚ましき中に蜜あるはうれし...
夏目漱石 「薤露行」
...疚ましければこそ蜜をも醸(かも)せと思う折さえあれば...
夏目漱石 「薤露行」
...少しも疚(や)ましい事はないと思い返した...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...彼自身は内に顧(かえり)みて疚(やま)しいところもなければ...
夏目漱石 「野分」
...恥(は)づるは心(こゝろ)の疚(やま)しければなり...
樋口一葉 「軒もる月」
...なんの疚(やま)しい関係もありませんわ...
火野葦平 「花と龍」
...形てふ好むところに阿ねるを疚しと知りて衰へ初めぬ女は己れを愛するものの為に形づくるといふ教へもあり...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...虚偽だと思って疚(やま)しがりもせず...
森鴎外 「かのように」
...一毫(ごう)の疚(やま)しさも抱いていない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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