...何だか日本の社会は終始動いて居る様に疑惧して来たと云ふ事が私の外国を旅する間に心配した事であります...
井上準之助 「最近欧米に於ける財政経済事情」
...「若しやあのお鳥も――」と云ふやうな疑惧(ぎぐ)の念が浮んだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...いろいろの不安と疑惧(ぎぐ)に挟(さしはさ)まれながら私は寺へ帰った...
谷崎潤一郎 「秘密」
...常に疑惧と嫌悪との対象となり得る...
豊島与志雄 「砂漠の情熱」
...背筋から足の裏までが疑惧(ぎぐ)の刺激でむずむずする...
夏目漱石 「三四郎」
...不安と疑惧(ぎぐ)と...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...不安と疑惧(ぎぐ)と悲歎に重苦しく閉ぢこめられて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...疑惧(ぎぐ)の眼を走らせて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大きい眼は不安と疑惧(ぎぐ)に戰(をのゝ)いて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「いない」八五郎は恐ろしい疑惧にさいなまれて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...大きい眼を不安と疑惧(ぎぐ)に見開いたまゝ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...近頃わけても疑惧(ぎぐ)を感ずるやうになつたのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...疑惧(ぎぐ)があった...
山本周五郎 「いさましい話」
...「参」つなぎの処世訓に疑惧の念をいだいて...
山本周五郎 「百足ちがい」
...もともと疑惧(ぎぐ)はあったので...
山本周五郎 「風流太平記」
...自分の疑惧(ぎぐ)は当ったのである...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...座を辷るとすぐその剣客者をご前へ連れてきた――がしかし並居る一同の眼はすこぶる疑惧(ぎぐ)に襲われた眼で...
吉川英治 「剣難女難」
...すでに迷信から生じる一種の不安と疑惧(ぎぐ)におそわれつつあるような心理が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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