...ところが老人達は二三竿の疎らな枝葉の上に宿る一片の涼味のほかに趣味を見出すまいとする...
會津八一 「趣味の修養」
...親しきが如くして疎きものありたり...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...字のつづきも疎密にかまわない...
高村光太郎 「黄山谷について」
...まして謀叛人の娘として世に疎まれる境涯になっては...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...学問の方には疎(うと)くっても...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...「吾が性は迂疎(うそ)堅僻(けんぺき)にして...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...その議論の交わさる未整理の疎開跡のような荒れたる場所...
中井正一 「美学入門」
...気疎(けうと)いほどのどやかな世界に見える...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...疎開の意味で、高子には五日市町の方へ一軒、家を持たす、そして森家の台所は恰度、息子を学童疎開に出して一人きりになつている康子に委ねる、――さういふことが決定すると、高子も晴れがましく家に戻つて来て、移転の荷拵へをした...
原民喜 「壊滅の序曲」
...疎通しなかったのがふしぎなくらいだった...
久生十蘭 「西林図」
...あゝわれは心ならずも己が家の人々とも意志疎通せざるか...
牧野信一 「青白き公園」
...程もなく同君は山梨県東八代郡花鳥村竹居の疎開地から無事に都下滝野川区上中里十一番地の自宅へ還った...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...◎世間父兄の子を教ふるを見るに倫理に遠く人情に疎(うと)き者比々(ひひ)是(これ)なり...
正岡子規 「病牀譫語」
...疎略の儀ゆめゆめあるべからず...
三木清 「親鸞」
...すこし前にわかっていたが――家族を疎開させて自分一人で暮していた...
三好十郎 「「廃墟」について」
...何となく疎くなってゆくような気がした...
柳田国男 「故郷七十年」
...その中(うち)にだんだんと疎(おろ)そかになって来た...
夢野久作 「眼を開く」
...疎開帰りの、九年ぶりのこんな生活である...
吉川英治 「随筆 新平家」
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