...宛然(さながら)他人の様に疎々(うとうと)しい...
石川啄木 「鳥影」
...親しきが如くして疎きものありたり...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...また金だけ送って疎開先におき放しになっている妻子...
田中英光 「野狐」
...これまでずっと疎(うと)かったわけです...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...疎らな松林を出たりはひつたりして幾つかの漁村を過ぎてしと/\ゝ沾れて行く...
長塚節 「佐渡が島」
...私の疎漏(そろう)なところを補い...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...――ハチスの紫の花が咲いてゐる疎らな生垣の上に...
牧野信一 「裸虫抄」
...詩文でも小品短篇が発達して居て絵画でも疎画(そが)略筆(りゃくひつ)が発達して居る...
正岡子規 「墨汁一滴」
...商品における人間の自己疎外の...
三木清 「マルクス主義と唯物論」
...全くおどろくような疎隔が生じる場合がある...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...百日紅(さるすべり)の疎(まばら)な葉越に...
森鴎外 「鶏」
...御隠居様を疎々(うとうと)しくなされた罰だなんぞと囁(ささや)き合っているらしい...
森鴎外 「蛇」
...吾(われ)は猶(なお)汝疎(うと)き心有(あ)りとおもはん」と仰せられた...
柳田国男 「山の人生」
...若木の檜(ひのき)や杉の疎林のあいだに...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...去るもの日に疎しというのが眼のあたりの実情になったが...
横光利一 「旅愁」
...こちらは暇な疎開人だし...
吉川英治 「紅梅の客」
...疎林を渡る秋風の外に...
吉川英治 「三国志」
...疎石禅師の喝棒(かつぼう)に打ちひしがれた時のように...
吉川英治 「私本太平記」
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