...金粉(きんぷん)のような火粉(ひのこ)がばらばらと疎(まば)らに空へ舞い上りました...
芥川龍之介 「疑惑」
...鶺鴒も彼には疎遠(そえん)ではない...
芥川龍之介 「保吉の手帳から」
...俺の世界は實在の多少によつて影の濃淡疎密が差別されるやうになつて來た...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...疎(まば)らな人影が立つて照し出されてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...疎(うと)ましそうに女の姿を見やって...
徳田秋声 「新世帯」
...事実上空疎無用なものとして却けられ...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...遠い遠い疎隔があった...
豊島与志雄 「春盲」
...下り切って疎(まばら)な杉垣を...
夏目漱石 「虞美人草」
...彼は常に親疎(しんそ)の区別をその間に置いていた...
夏目漱石 「明暗」
...そのくせ一字一劃を疎(おろそ)かにしない文楽の小心さ几帳面さは吉右衛門を思わせ...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...第二のものはこの疎外に於て否定されたのを感じ...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...疎開児童は田舎へ行って爆弾からは護られたけれども空腹からは護られませんでした...
宮本百合子 「美しく豊な生活へ」
......
室生犀星 「愛の詩集」
...物を疎かに扱ふ心は...
柳宗悦 「和紙の美」
...疎隔(そかく)の生活を続けていたのにかかわらず...
柳田国男 「海上の道」
...気が疎(うと)くなっていたようだったと...
柳田国男 「山の人生」
...若木の檜(ひのき)や杉の疎林のあいだに...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...唯だ疎らに黄なるは街灯の点のみ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
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