...畸人だの、義人だのといふ名稱は、翁においては如何にも不似合に感じられます...
石川三四郎 「浪」
...一生に百六十人以上の妾を持ったというはまた時代の悪瓦斯(ガス)に毒された畸行の一つであった...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...畸形(きけい)の獣めいたものが出て来る...
梅崎春生 「幻化」
...畸形児の目の前で世界が独楽(こま)の様に廻った...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...どこか畸形の感じで...
太宰治 「火の鳥」
...何処か不思議な畸形的なところがあるを私は見て来た...
田山録弥 「或新年の小説評」
...人間を畸形にすること夥(おびたゞ)しいものである...
田山録弥 「脱却の工夫」
...之はジャーナリズムの資本のために傷められた単なる畸形に過ぎないことを...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...但し現在のジャーナリズムが畸形であるという事実は之によって決して蔽われるものではないのである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...狂猛な怒濤(どとう)の跡はその畸形(きけい)な堆積の上に印せられていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...日本の文芸は畸形(きけい)的発達を遂げた...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...曲学阿世の風が盛であつた宝暦の時代にも馬文耕といひ志道軒といふが如き畸人が現れた...
永井荷風 「来訪者」
...多々羅三平(たたらさんぺい)という畸人(きじん)がいると吹聴(ふいちょう)した事がある...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...かれはきみのわるい畸形の犬がぼうぼうと吠える月夜をぼんぼりのやうに病みつかれて歩いてゐる...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...気随気儘の大阪弁の卓袱料理を創造した畸才縦横の料理人こそ...
正岡容 「初代桂春団治研究」
...」「……畸形の子の父親は……小刀を持ってます...
松永延造 「職工と微笑」
...かういふ畸形稿が記念號の百卵中に生れ損つて出るのも...
吉川英治 「折々の記」
...発音も満足でないという畸形児だった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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