...どうやら先刻(さつき)畷で逢つた奴に似て居る...
石川啄木 「葬列」
...畷(なわた)のほの白いのを蹈(ふ)むともなしに...
泉鏡花 「遺稿」
...畷の緑には緑青のついているところさえあって眼をひいた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...高い山、低い山、高原、平野、畷道、または波うち際の砂浜に至るまで、どこにでも、松の樹の存在は見出される...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...天神町の立場(たてば)から畷道(なわてみち)を...
中里介山 「大菩薩峠」
...四(よ)つ街道(かいどう)あたりの畷路(なわてみち)は...
長谷川時雨 「芳川鎌子」
...畷道のみよの店はしぜんと海道に名をひろめていった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...「荒川の畷(なわて)から北へ四...
吉川英治 「江戸三国志」
...彼方(かなた)の畷(なわて)を...
吉川英治 「黒田如水」
...久我畷(こがなわて)にちかい野で泥田が多く...
吉川英治 「私本太平記」
...ちょうど曳馬畷(ひくまなわて)から馬込(まごめ)の渡舟(わたし)へ出るあいだの街道だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...久我畷(くがなわて)をすすみ...
吉川英治 「新書太閤記」
...久我畷(くがなわて)から円明寺川に沿う北野一帯は...
吉川英治 「新書太閤記」
...もう彼方(かなた)の畷(なわて)で追い着いた丈八と糸屋とが...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...畷(なわて)のそばの畦川(あぜがわ)へ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...あれではないかな」「どれ?」「むこうの畷(なわて)」「ほ...
吉川英治 「親鸞」
...大宮を下って、鳥羽街道を真っすぐに進んでゆくのであった、その途中の辻々や、畷(なわて)や、民家の軒や、いたる所に、上人の輿を見送る民衆が雲集して、「おいたわしや」「勿体ない」「なむあみだ仏――」貴賤のべつなく押し合って、中には輿の前へ走り寄り、「あなたのお体は、遠国へながされても、あなたの生命は――念仏は――この日(ひ)ノ本(もと)の大地から失われません」と、絶叫する若者だの、「これを上人様に――」と、真心こめた餅や、紙や、花などの供物を捧げる老媼(おうな)だの、「せめて、お足の痕(あと)の土を」と、輿の通った後の砂を紙にすくっている女だの、名状し難い哀別のかなしい絵巻が、到るところで描き出された...
吉川英治 「親鸞」
...それから四条畷(しじょうなわて)の全滅...
吉川英治 「日本名婦伝」
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