...「いやまた、こう辟易(へきえき)して、棹を畳んで、懐中(ふところ)へ了(しま)い込んで、煙管筒(きせるづつ)を忘れた、という顔で帰る処もおもしろい感じがするで...
泉鏡花 「悪獣篇」
...畳もようやく四畳しか置けない...
伊藤左千夫 「水籠」
...この着物を畳んで蒲団の下に敷いて寝るのである...
太宰治 「服装に就いて」
...多く二尺先位の畳をのみ見ていた...
田山花袋 「蒲団」
...床を畳む元気もないじゃないか...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...二階の八畳敷には...
徳田秋声 「仮装人物」
...はては畳の上の死希(まれ)なり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...八畳敷ぐらいに見えるその土蔵のなかに...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...十二畳ほどの広さの豪華を極めた寝室は...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...成程(なるほど)畳み上げた石垣や...
野村胡堂 「古城の真昼」
...畳の上に居ると、大地へ跣足(はだし)で立って居ると、下駄を穿いてると、鋲を打った靴を穿いているとで、人間の身体(からだ)に電気の感じ方の違うのは誰でも知ってるだろう...
野村胡堂 「死の予告」
...困ったことにお勢は、大夕立に洗われて冷え込んだものか、その少し前から、ひどい腹痛を起して、賑やかな席にも顔を出さず、階下の四畳半に、キリキリと差し込むのを抑えて、たった一人悶(もだ)えておりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...従って満身に浴びた血、粗末な寝巻も、畳の床の上も、まさに血の海です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...畳は塵(ちり)だらけ...
山本周五郎 「思い違い物語」
...またお帰りに」と挨拶して次の六畳へ立って行く...
山本笑月 「明治世相百話」
...あとは店を畳んで引返せ」と...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...けれど畳の間に出てゐる芽が気になつて...
吉江喬松 「五月雨」
...源五右衛門は畳へついた儘でいる手を忘れて――『こうして...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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