...その中にも道貞殿には吾れから異しむばかり深く心を惹かれてゆきましたので...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...近世の歴史においてかくのごときの現象あるは決して異しむに足らず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...観覧席では驚異したり驚嘆したりしていても済むが...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...銘々は勝手に驚異したいものを驚異していれば良いわけで...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...彼が空の星を驚異しながら道を歩いていて溝に落ちたからではない...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...今から丁度四十年の昔、百姓弥之助が、まだ十四歳の少年の頃、東京の本郷から十三里の道を、徒歩で立ち帰ったことがある、初夏の頃であったと思うが、紺飛白(こんがすり)の筒袖を着て、古い半靴を穿(は)いて東京を出て来た、湯島天神の石段を上りきって、第二の故郷の東京から第一の故郷へ帰る心持、丁度、唐詩にある「卻望并州是故郷」の感じで見返ったことを覚えている、それから今の高円寺荻窪辺、所謂(いわゆる)杉並村あたりから、北多摩の小平(こだいら)村附近へ来ると、靴ずれがし出して来たので、その半靴を脱いで杖の先きにブラ下げて、肩にかついで歩いたが、そうすると村の子供連が弥之助の前後に群がり集って、「あれ、靴!」「あれ、靴!」と云って、驚異しながら、ぞろぞろついて来たものだ...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...「お祭りの馬鹿ばやしの屋台にまで電燈がついた」弟などをつれて祭礼見物に出かけてはひたすら驚異したものだ...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...見慣れぬ人間に心が驚異した...
福士幸次郎 「太陽の子」
...眩輝の異しい漲落を胸に量り 額をもたげて愛のやうな 荒繩のやうな強力の酔ひをこの躯に糾ふのだ...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...圉人驚異したが敢えて洩(も)らさず...
南方熊楠 「十二支考」
...皆七人を驚かさざるなきを見て一同更に一層驚異し...
南方熊楠 「十二支考」
...その日本の感性的な知性が西欧のルネッサンスおよびそれ以後の人間開花の美に驚異したのが「白樺」の基調であった...
宮本百合子 「現代の主題」
...卑劣さということの解釈も亦そういう点の理解の相異によって相異して来るのですね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...大に異しむべきにあらずや...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...命名の趣旨の最も著しく相異した地名が...
柳田國男 「地名の研究」
...これと相異した実況を示せば...
柳田国男 「雪国の春」
...独逸(ドイツ)人は能楽のリズムを表現する間拍子が異常な発達を遂げているのに驚異して...
夢野久作 「能とは何か」
...事々(ことごと)に驚異した...
吉川英治 「新書太閤記」
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