...畢竟シヨオペンハウエルが彼の言葉遣ひに於ける仏教徒より他の何物でもなく...
生田長江 「ニイチエ雑観」
...他人の幸福といふのは畢竟(ひっきょう)自分の両親が承認した男を幸福にして自分の愛した男を不幸にしてやれといふ意に他ならないのである...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...やつとそれを食べ畢(をわ)つたといふ話なのでした...
薄田泣菫 「小壺狩」
...自分の手に畢(お)へない処(ところ)は...
薄田泣菫 「茶話」
...特にかの「七昂星」と「八畢星」との如きは...
高木敏雄 「比較神話学」
...文学者自身が私の所謂青春人で如何にあろうとも、文学は畢竟、現実の転位の世界であるからして、また根深い伝統を持ってる世界であるからして、そこへ、革新的な青春の可能性をそっくり持ちこむことは容易でない...
豊島与志雄 「神話と青春との復活」
...これ畢竟(ひっきょう)その結果を見ての推論なるべし...
永井荷風 「桑中喜語」
...そうして彼は赤を殺して畢ったことが心外で胸が一しきり一杯にこみあげて来た...
長塚節 「太十と其犬」
...直(すぐ)はあ死人(しにん)の衣物(きもの)から始末(しまつ)して掛(かゝ)つたつちんですから」「自分(じぶん)で取(と)つて畢(しま)ふ積(つもり)なんだね」「兄弟等(きやうでえら)げ分(わ)けてなんざあ遣(や)んねえ積(つむり)なんでさね」「衣物(きもの)だつて幾(いく)らも無(な)いんだらうがね...
長塚節 「土」
...「俺(お)ら火(ひい)あたつてたら木(き)の葉(は)さくつゝえたんだつて云(ゆ)つたんだあ」「さう云(ゆ)はつても仕方(しかた)ねえよ」與吉(よきち)のいひ畢(をは)らぬ内(うち)に卯平(うへい)は言辭(ことば)を挾(はさ)んだ...
長塚節 「土」
...それを馘つて畢ふことが忽ち其一族に悲惨な目を見せなければならないので情実といふものが幸に余命を繋がしめて居たのである...
長塚節 「隣室の客」
...死ぬる死なぬは畢竟(ひっきょう)第二義のことだ...
新渡戸稲造 「ソクラテス」
...畢生(ひっせい)の情熱を傾注してその作曲にとりかかった...
野村胡堂 「楽聖物語」
...幾千萬の青年が畢生の榮として通過を希ひし其龍門の邊り...
原勝郎 「貢院の春」
...調合畢(をは)れば...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...それでなくて愛国をいうのは畢竟(ひっきょう)大人の女の飯事(ままごと)ではないか...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...畢竟目に見える世界へ...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...わが畢生(ひっせい)の希(ねが)いである...
吉川英治 「三国志」
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