...畢竟(ひつきやう)僕自身も中産階級のムツシウ・ボヴアリイに外ならないのを感じた...
芥川龍之介 「歯車」
...人の生活は畢竟神の前にあっては無に等しい...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...叙情的(リリカル)な調子(トーン)のある……畢竟周圍の空氣がロマンチックだから...
石川啄木 「鳥影」
...いひ畢(おわ)りて切歯(はがみ)をすれば...
巌谷小波 「こがね丸」
...畢竟は二葉亭の頭の隅のドコかに江戸ッ子特有の廃頽(はいたい)気分が潜在して...
内田魯庵 「二葉亭余談」
......
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...未来に新しい生活を開展させてゆくための指導原理は、畢竟、欲求の現われであって、予見から出るものではなく、必然的の帰趨を示すものではなおさらない...
津田左右吉 「歴史の矛盾性」
...これまで自分の考えたようないろいろの心配などは畢竟誇大妄想病者(ひっきょうこだいもうそうびょうしゃ)の空中に描く幻影のようなものかもしれない...
寺田寅彦 「神田を散歩して」
...畢竟伯は政権を得むとするの野心がなく...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...畢竟最初に出來た經書は詩書の大部分であつて...
内藤湖南 「爾雅の新研究」
...此の花遂に我がためにのみさきつくしけるにこそとさへ思ひいでられて我がおもふ人にあらなくに山茶花は一樹が枝に相隔りぬ山茶花の畢(つひ)なる花は枝ながら背きてさけり我は向けども山茶花のはなは見果てゝ去ぬらくに人は在處(ありど)も知るよしもなく此の如ありける花を世の中に一人ぞ思ふ其の遙けきも三月七日...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...給畢(たびをはんぬ)...
長谷川時雨 「尼たちへの消息」
...一わたりその谷間を見畢(みおわ)った時分...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...若うどは既にそれを讀み畢へてゐた...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「旗手クリストフ・リルケ抄」
...遊び畢(をは)つて伊勢に帰つたのが新緑の時であつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...)其一軸を仔細申聞て仮受写畢...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...現代人の芸術の能事(のうじ)畢(おわ)れりではございますまいか...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
...だがそれは畢竟(ひっきょう)技巧の遊戯に落ちる...
柳宗悦 「工藝の道」
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